2007 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸カルシウム系生体材料によって閉鎖された人工的顎裂部への歯の移動
Project/Area Number |
16591979
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松井 桂子 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 助教 (00302159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌倉 慎治 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80224640)
越後 成志 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70005114)
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Keywords | リン酸カルシウム系生体材料 / リン酸オクタカルシウム / 骨再生 / 人工的骨欠損 / ビーグル犬 |
Research Abstract |
本実験はリン酸カルシウム系生体材料をヒトロ腔領域へ応用した際に歯の移動や排列に適する必要充分量の骨再生が可能か否かを確認することを目的とした. 前年度に引き続き骨代用剤として製品開発中のリン酸オクタカルシウム(以下OCP)とコラーゲン(Collagen)の複合体(OCP/Col)のディスクを用いて実験を行った.ビーグル犬の頭蓋冠および上顎骨において,人工的に作製した骨欠損部に対しOCP/Colの埋入を行った.また,継続中の実験において経過観察期間の終了したビーグル犬の頭蓋骨および上顎骨の標本を摘出し骨再生について確認した. 実験内容は,上顎左側第2,3切歯を抜歯し歯槽頂側から鼻腔側,内側はイヌの口蓋裂まで骨削除して人工的顎裂を作製した.2か月経過後に同一犬を使用しイヌ頭蓋冠に自己修復不可能な直径20mmの円形の骨欠損を2箇所作製し,一方にOCP/Colディスク,他方に対照として既存のβ-TCP顆粒を埋入した.この頭部実験から2か月,人工的顎裂作製から4か月経過観察後に,人工的顎裂部に移植床を形成しOCP/Co1ディスク,対照の個体にはCollagenディスクの埋入実験を行った.頭部実験から6か月,人工的顎裂部への埋入実験から4か月の経過期間終了後に頭部と上顎骨の標本を摘出した. 摘出した頭部標本ではOCP/Collagen複合体埋入部位は触診にて周囲健常骨と同等な硬さで,硬組織の存在が窺われた.また,軟X線写真所見ではX線不透過像が見られた.人工的顎裂部ではOCP/Collagen複合体の埋入によりX線写真上,良好な骨架橋が形成された.頭部および顎骨において形成された硬組織を粉末にしてX線回折を行ったところ,ともに周囲健常骨と同様なパターンを示しており,形成された硬組織が骨組織であることが判明した.以上の結果からヒトへの臨床応用のモデルとして中動物においてもOCP/Collagen複合体による骨再生能が確認された.今後再生された骨内に歯を移動することが可能であるかを研究予定である.
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Research Products
(1 results)