2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内過酸化水素誘発剤による口腔癌の放射線・温熱治療の増感と分子機構
Project/Area Number |
16591987
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
和田 重人 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (50303219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 勲 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (10014268)
小川 良平 富山医科薬科大学, 医学部, 講師 (60334736)
近藤 隆 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (40143937)
田渕 圭章 富山医科薬科大学, 生命科学実験センター, 助教授 (20322109)
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Keywords | 温熱療法 / 放射線療法 / 細胞内過酸化水素 / 6-ホルミルプテリン / 口腔癌 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
細胞はU937細胞を使用し、温熱処理は、44℃で20分間、6-FPの濃度は300μMに設定。処理後6時間の時点で、形態学的変化、DNA断片化、フローサイトメトリーを指標としたアポトーシス、ミトコンドリア膜電位の変化、カスパーゼ3および8活性、細胞内カルシウム濃度、細胞増殖、蛋白解析に関する検討を行った。 ギムザ染色による形態学的変化では、温熱単独処理で認められたクロマチン凝集、核断片化は、6-FP併用温熱処理により著明に増強されていた。DNA断片化率は、6-FP併用温熱処理により有意な増加を認めた。apoptosisを呈する細胞の割合は、6-FP併用温熱処理により有意な増加を認めた。 ミトコンドリア膜電位の低下した細胞の割合は、温熱単独処理と比べて6-FP併用温熱処理により有意な増加を認めた。カスパーゼ-3,-8の活性は、温熱単独処理に比べて6-FP併用温熱処理で有意な増加を認めた。細胞内カルシウムイオン濃度は温熱単独処理により増加し、6-FP併用温熱処理によりさらに増加していた。また細胞増殖は、6-FP併用温熱処理により著明に抑制されていた。 蛋白解析では、Bidの発現量が温熱処理により抑制され、6-FP併用温熱処理によりさらに抑制されていた。また、温熱処理により誘導されたHSP70の発現量は、6-FP併用により著明に抑制されていた。さらに温熱処理に6-FPを併用することよって、チトクロムCのcytosolへの遊離の増強、PKCδおよびtruncateされたPKCδのミトコンドリアへのtranslocationが確認された。この実験結果は、放射線処理(10Gy)においても同様の傾向が確認された。次年度は温熱抵抗性を有する細胞種やp53-statusの異なる細胞種における本剤のアポトーシス増強を確認しつつ、DNAマイクロアレーを用い網羅的に関与する遺伝子の検索を行い、増強機序を詳細に解明する。
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Research Products
(1 results)