2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内過酸化水素誘発剤による口腔癌の放射線・温熱治療の増感と分子機構
Project/Area Number |
16591987
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
和田 重人 富山大学, 附属病院, 講師 (50303219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 勲 富山大学, 医学部, 教授 (10014268)
小川 良平 富山大学, 医学部, 講師 (60334736)
近藤 隆 富山大学, 医学部, 教授 (40143937)
田渕 圭章 富山大学, 生命科学先端研究センター, 助教授 (20322109)
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Keywords | 温熱療法 / 放射線療法 / 細胞内過酸化水素 / 6-ホルミルプテリン / 口腔癌 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
前年度の実験結果から、生体の代謝産物である6-ホルミルプテリンが放射線および温熱の殺細胞効果を増強することを確認し、その増感機構にミトコンドリア-カスパーゼ経路の活性化、細胞内カルシウム濃度の増加、PKCδおよびtruncateされたPKCδのミトコンドリアへのtranslocationが関与していることを明らかにした。 今年度は、U937細胞において、温熱処理により30%DNA断片化率を引き起こす条件設定(44℃10分間、6-FPの濃度は300μM)の下で、mRNAを抽出しマイクロアレイ法により関連する遺伝子を網羅的に調べた。温熱単独処理では、39個の遺伝子が上向き調整され、3個の遺伝子が下向き調整されていた。上向き調整されていた遺伝子にはHO-1(HSP32)、DNAJA1、HSPA1B、HSPH1、DNAJB1などのHeat shock proteinの他に、抗酸化的フリーラジカルスキャベンジャー機能を有するSEPW1、抗アポトーシス分子として働くBAG3が検知された。下向き調整された遺伝子としては、アポトーシス抑制作用を有するCCLが検知された。6-FP併用温熱処理では、温熱単独処理をコントロールとし遺伝子発現変化を検索したが、LOC219962およびNEUROD4が上向き調節される以外に、著明な遺伝子変化は観察されなかった。リアルタイム定量的PCR法による検討では、前述の遺伝子変化の確認に加えて、アポトーシス促進遺伝子であるc-junと抗酸化ストレス遺伝子であるHO-1の発現変化を調べた。温熱単独処理では、両遺伝子の発現はともに上昇していたが、6-FP併用温熱処理ではc-junが上昇し、HO-1は減少していた。
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Research Products
(2 results)