2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591992
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山村 功 京都大学, 医学研究科, 助手 (90332733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 和宏 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50127114)
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Keywords | 顎関節症 / ストレス蛋白 |
Research Abstract |
熱ショック蛋白(以下HSPと略す)は、ストレス蛋白とも呼ばれ、外界の様々なストレスから細胞を保護する機能をもち、生体の生理学的状態を維持、機能させるに不可欠な蛋白質で、循環器疾患や自己免疫疾患ではすでにHSPの病態への関与が解明されている。顎関節症の病態解析においては、NOをはじめとする酸化ストレスや機械的ストレスなどの関与が明らかとなってきたが、そのストレス反応が、顎関節組織(滑膜組織)および細胞(滑膜細胞)レベルにおいて、いかなるメカニズムで制御されているかは未だ不明である。本研究は、顎関節滑膜組織におけるHSPの機能的役割を明らかにするとともに、顎関節症の発症およびその病態におけるHSPの関与、ひいてはHSPの機能を利用した顎関節症の治療法の開発を目指すものである。 われわれが培養株として樹立したヒト顎関節滑膜細胞においてHSP27が発現しているのをRT-PCR法にて確認した。HSP27は細胞質に局在する低分子量HSPで、さまざまな刺激で発現が誘導され、またリン酸化による活性化によりそのシグナルを伝達する。女性ホルモンであるエストロゲンはこのHSP27の発現を誘導することが解明されている。エストロゲンレセプターは細胞質においてHSP27と結合している。リガンドと結合したエストロゲンレセプターは核内に移行し、エストロゲン依存性の遺伝子発現の転写を活性化させるが、細胞質で結合しているHSP27もさまざまな刺激によって核に移行すると考えられている。われわれは、このエストロゲンレセプターの核移行は、HSP27との相互作用により行われるものと考えている。
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Research Products
(6 results)