2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒアルロン酸の分子量低下に伴う顎関節破壊のメカニズムに関する研究
Project/Area Number |
16592013
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
高橋 哲 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60226850)
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Keywords | 顎関節症 / 関節破壊 / ヒアルロン酸 / 低分子化 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
われわれはこれまでの研究において関節の潤滑に重要な役割を有するヒアルロン酸の分子量が顎関節症患者において有意に低下していることを明らかにしており(Takahashi T, et al. J Oral Pathol Med 33:224-229,2004)、本研究では低分子化したヒアルロン酸が破骨細胞の分化・機能の活性化に関与し、関節破壊に関与しうるとの仮説を立てて、破骨細胞様細胞に対する様々な分子量のヒアルロン酸の影響について分子生物学的手法を用いて実験を行った。 本年度も継続してマウスの破骨細胞前駆細胞cell lineであるRAW264.7細胞を用い、破骨細胞分化誘導因子であるreceptor activator of NF-κ Bligand(以下RANKL)および各分子量の鶏冠由来のヒアルロン酸4種類の存在、非存在化に培養を行い、分子生物学的手法を用いて、酒石酸耐性酸フォスファターゼ(tartrate-resistant acid phospatase、TRAP)染色、骨吸収活性測定、RT-PCR法による破骨細胞分化マーカーの測定、Western blotting法による細胞シグナル伝達経路の解析を行った。その結果、分子量8kDa以下の低分子量のヒアルロン酸が、RANKL誘導かの破骨細胞の分化、さらに骨吸収能に対して増強作用を有することが示唆された。またこの増強作用は低分子量ヒアルロン酸が破骨細胞前駆細胞上のRANKL分子の発現を活性化し、RANKL-RANK signaling cascasdeを介してその下流の分子であるc-Srcの発現やp38のリン酸化を生ずる結果であることが示唆され、これらの研究成果はJ Biol Chemに掲載された。本研究によって、顎関節症においてはヒアルロン酸が低分子化を起こし、破骨細胞の活性化を惹起することにより関節破壊を起こす可能性を世界に先駆けて示した。
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Research Products
(5 results)