2006 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生遺伝子含有マトリックスを基材とした骨誘導活性システムの生物検定
Project/Area Number |
16592015
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
村田 勝 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (00260662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 隆史 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40265070)
荒川 俊哉 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40306254)
有末 眞 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (20091407)
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Keywords | 骨誘導 / 血管新生 / BMP-2 / コラーゲン / VEGF / 遣伝子 / 骨再生 |
Research Abstract |
PCR産物(BMP-2 DNA断片)からBMP-2分泌シグナル領域を含むアミノ酸配列をコードするcDNA断片を調整した.遺伝子活性マトリックスとして,ウシ真皮由来凍結乾燥アテロコラーゲン(10mg)とポリ乳酸-グリコール酸共重合体の2種類を使用した.BMP-2 plasmid DNA溶液含有マトリックス(BMP-2遣伝子含有アテロコラーゲン群,BMP-2遺伝子含有ポリ乳酸-グリコール酸群)を調整した.なお,陽性コントロール1としてBMP-2(10μg)溶液(1μg/μl;10μl)を0.3%アテロコラーゲン溶液(3.33ml)と混和後,凍結乾燥・複合化して使用した.陽性コントロール2としてBMP-2(10μg)/ポリ乳酸-グリコール酸共重合体を使用した.陰性コントロール1としてアテロコラーゲン単独群,陰性コントロール2としてポリ乳酸-グリコール酸単独群を設定した. 生物検定法は,4週齢ウィスター系雄性ラット背部皮下組織内に全身麻酔下で試料を埋入した.3週後に摘出し,ギ酸脱灰後ヘマトキシリン-エオジン染色標本を作製した. 光学顕微鏡観察結果より,BMP-2遺伝子含有アテロコラーゲン群において,血管の新生がコラーゲンマトリックス内に認められたものの骨・軟骨誘導を確認することができなかった.また,BMP-2遺伝子含有アテロコラーゲン群の血管数はアテロコラーゲン単独群よりも多いものの優位ではなかった. 陽性コントロール1,2群に骨誘導が確認された.BMP-2/アテロコラーゲン群がBMP-2/ポリ乳酸-グリコール酸よりも旺盛に骨が誘導され,炎症反応が少なかった.陰性コントロール1,2群には骨誘導はみられなかった. BMP-2遺伝子の添加量を増加しても,本生物検定系では,BMP-2遺伝子の硬組織誘導に関する効果は明らかでなかった.BMP-2タンパク単独療法で確実な骨誘導が得られ,遺伝子・タンパク融合療法の優位性は認められなかった.
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Research Products
(1 results)