2005 Fiscal Year Annual Research Report
歯科用金属パッチテストの紅斑指数と角質水分量による客観的評価
Project/Area Number |
16592021
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
高橋 愼一 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (90197145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 淳子 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00208357)
森本 光明 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90174458)
山根 源之 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (80096510)
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Keywords | 歯科金属アレルギー / パッチテスト / 紅斑指数 |
Research Abstract |
(1)メグザメーターによるパッチテスト評価のための測定条件の確立 メクザメーター測定において、測定間隔によりばらつきが認められたため、健常者ボランティア男性5名、女性6名でパッチテストの試薬貼付部を10箇所について紅斑指数(E. I.)の計測を行い、正常人の基準値を算定するとともに、測定間隔の影響、テープ貼付の影響について測定した。測定間隔については、同一部位のE. I. を一定の間隔をあけて測定し(10、20、30、40、50、60秒)、その影響を判定した。基準値は562±17.9であった。男女間では男性が優位に高い傾向が認められた。同一部位または近接した部位では、プローブによる皮膚圧迫の影響のため、測定間隔が10、20、30秒の場合、貼付後では貼付前に比べ有意に高値を示すことが判明した。測定間隔が40秒以上の場合、測定前後で有意差を認めず、測定間隔は40秒以上必要であることが判明した。また、テープを貼付している部分については、試薬の貼付部、その周囲のテープのみの貼付部いずれも2日、3日、7日後で、貼付前に比べE. I. が有意に高値を示した。しかし、テープ貼付部と周囲の非貼付部では有意差は認められなかった。すなわち、E. I. によるパッチテスト判定は、テープの貼付の影響があることが示された。 (2)測定間隔、テープ貼付の影響を軽減するE. I. の測定方法とその臨床応用 (1)の結果より、ひとつの試験試薬について、試薬貼付部、周囲のテープ貼付部(対照部)およびその周囲のテープの貼付していない部位(対照部)の3ヶ所のE. I. を測定し、対照部を標準偏差化した。それをもとに、試薬貼付部のE. I. の標準偏差を求めることとした。ICDRG基準で明確に判定できたアレルギー反応群10例、パッチテスト陰性群10例と一次刺激反応と考えられる10例について、このメグザメーターによるE. I. 測定から前述の標準偏差値を求め、2日目、3日目、7日目の比較を行った。陰性群とアレルギー反応群では2日目、3日目、7日目でアレルギー反応群が有意に高値であった。陰性群と一次刺激反応群でも2日目と3日目で一次刺激反応群が有意に高値であったが、7日目では有意差を認めなかつた。一次刺激反応群とアレルギー反応群では7日目に有意差を認めた。すなわち、パッチテスト判定において、メグザメーターによる7日目までの経時的な測定を行うことにより、一次刺激反応とアレルギー性反応の鑑別といったより客観的な判定ができることが示唆された。
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Research Products
(5 results)