2004 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節症滑液中における骨代謝因子ならびにアポトーシス関連因子の動態
Project/Area Number |
16592029
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
栗田 賢一 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (40133483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 宏昭 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (20329618)
茂木 眞希雄 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (00174334)
戸苅 彰史 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (80126325)
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Keywords | 顎関節症 / 滑液 / osteoprotegerin / RANKL |
Research Abstract |
顎関節症患者の滑液中のOsteoprotegerinの発現変動 【目的】近年、慢性関節リウマチの滑膜細胞や滑液中細胞中に骨代謝因子である破骨細胞分化因子(RANKL)および破骨細胞形成抑制因子(OPG)に関する報告が散見されている。今回我々は、変形性顎関節症(OA)における病態解明の一環として、顎関節滑液を用いて、RANKL、OPGおよびRANKL/OPG ratioを測定し、さらにヒト末梢血単球細胞(PBMC)を用いRANKL/OPG ratioから人工サンプルを作り、実際に破骨細胞誘導能があるかどうかin vitroにて証明した。 【対象】本学付属病院顎関節外来を受診した患者のうち、MRIによりOA、非復位性円板転位(DDw/oR)、復位性円板転位(DDwR)と診断された患者で、上顎関節腔洗浄療法を行い、滑液を採取し得た。 【方法】滑液は上顎関節腔洗浄療法(2mlの生理食塩水で5回パンピングにより得られた希釈関節液)により採取し、RANKLおよびOPGはELISA法にて測定し、総タンパク量にて補正した。ヒト末梢血単球細胞からの破骨細胞分化はM-CSF存在下で常法に基づき行った。3核以上のTRAP陽性細胞はosteoclast like cellsとしてカウントした。 【結果】3群間でRANKLに有意差は認めなかったが、OPGはOA、DDw/oRともにDDwRと比較して統計的有意に減少し、RANKL/OPG ratioは逆に統計的有意に増加した。OAとRANKL/OPG ratioが同様な人工サンプルは、ヒトPBMCからの破骨細胞の強い誘導能を示した。 【考察】本研究は、顎関節症において強いOPG産生の減少を明示し、OPG変動は軟骨組織の変性や顎関節骨の病態形成おいて重要な役割があることを示唆した。
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Research Products
(1 results)