2004 Fiscal Year Annual Research Report
サーモダイナミクスとメカニカルストレスを用いた骨・歯根膜組織の再生
Project/Area Number |
16592041
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
割田 博之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30262207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 芳郎 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (20292980)
簡野 瑞誠 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40345301)
金香 佐和 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80372449)
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Keywords | 咬合機能低下 / 加齢 / メカニカルストレス / 歯根膜 / 歯槽骨 / 組織の回復再生 / 血液循環 / サーモダイナミクス |
Research Abstract |
我々は、加齢や咬合機能低下により生じる歯周組織の退行性病変に、血管系の形態および調節機能の変化が関与していることを明らかにしてきた。また、退行した歯周組織に対して適度なメカニカルストレスを加えることで、組織の回復・再生が促されることを明らかにしつつあるが、いまだ十分な結果は得られていない。一方、血液循環の指標としてサーモダイナミクスは古くから認知され歯周組織の診断に一部利用されているが、組織再生に応用された例をみない。そこで本研究ではメカニカルストレスとサーモダイナミクスを併用した組織再生を検討することで、将来の臨床応用のための基礎データを得ることを目的とする。 今年度はまず、ラットの実験モデルを作製し、加齢・咬合機能低下に対する歯周組織の応答を組織学的手法を用いて検討した。その結果、咬合機能低下歯の歯根膜ではNO合成酵素の発現量が低下していること、組織の回復・再生には咬合機能の回復によるNO合成酵素の発現量の上昇が重要な要因の1つであることを解明した。一方、咬合機能の低下は血管系のみならず歯槽骨の形態にも広く影響を与えることが低機能歯の周囲歯槽骨の成長発育観察をして明らかとなった。またこ加齢に伴う歯周組織の経時的変化を観察した結果、上顎の臼歯部が最も骨レベルの低下が大きくなった。さらに、下顎臼歯部の骨レベルは大きな低下は認められなかったが、歯冠は咬耗により喪失した。この結果は今後加齢とメカニカルストレスとの関連を解析する上での足がかりとなると考えられる。今後、加齢・低機能歯のサーモダイナミクス測定による歯周組織の血液循環の評価を行う予定である。
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Research Products
(6 results)