2004 Fiscal Year Annual Research Report
肥満・糖尿病や嚥下障害に関する食欲調節因子・神経伝達物質を用いた電気生理学的研究
Project/Area Number |
16592043
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田口 洋 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70179597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 忠 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00013970)
真貝 富夫 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90018424)
小林 博昭 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80262450)
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Keywords | 食欲 / 肥満 / 糖尿病 / 神経伝達物質 / 嚥下反射 / 上喉頭神経 / 舌咽神経 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
本年度は、咽喉頭領域への味覚溶液刺激に対する嚥下誘発性の生後発達、ならびに近年神経伝達物質として注目されている一酸化炭素(NO)の咽喉頭部における感覚や嚥下反射への関わりについて実験と行い、以下の結論を得た。なお、実験動物には当初すべてラットを使用する予定であったが、過去の報告との照合性や実験条件を一定にしやすいなどの理由から、一部の実験をウサギに変更して行った。 関係学会と研究会において、下記の成果発表を計8回行った。 1.咽喉頭部への水刺激による嚥下反射は、生後直後の幼若期の方が成熟期よりも惹起されやすく、ウサギの離乳開始期である10日目頃から成熟期とほぼ同程度に落ち着くことを明らかにした。 2.上記の嚥下誘発性の生後発育変化は、刺激溶液として酸を使用したときもほぼ同じ傾向を示した。 3.喉頭の感覚を支配する上喉頭神経中枢端を電気刺激した場合も、適刺激時の嚥下誘発性と同様の発育変化を示したことから、この嚥下誘発性の変化は中枢の何らかの発育変化に拠るところが大きいと考えられた。 4.一酸化窒素(NO)の伝達物質としての作用を、NOの合成酵素阻害剤(L-NNA,7-NI)ならびにNOを産生するNMDA受容体のアゴニスト(NMDA)とアンタゴニスト(MK-801)を用いて検討した。舌咽神経、および上喉頭神経中枢端刺激による嚥下反射は、NMDAとMK-801に対しては同じ反応を示したが、L-NMAと7-NIでは上喉頭神経による嚥下反射は変化を示さなかった。このことから、咽頭刺激の嚥下反射には、NMDA-NO経路による賦活機構が重要であることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)