2005 Fiscal Year Annual Research Report
肥満・糖尿病や嚥下障害に関する食欲調節因子・神経伝達物質を用いた電気生理学的研究
Project/Area Number |
16592043
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田口 洋 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70179597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 忠 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00013970)
真貝 富夫 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (90018424)
小林 博昭 新潟大学, 医歯学系, 助手 (80262450)
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Keywords | 食欲 / 肥満 / 糖尿病 / 神経伝達物質 / 嚥下反射 / 上喉頭神経 / 舌咽神経 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に引き続き、神経伝達物質として注目されている一酸化窒素(NO)の咽喉頭部における感覚や嚥下反射への関わりについて追加実験を行うと同時に、5歳児と8歳児を被験者として摂食嚥下の発達過程を検討し、以下の結論を得た。 なお、本年度得られた知見については、関係学会において成果発表を計5回行った。 1.ラット舌咽神経咽頭枝の電気刺激によって誘発される嚥下は、一酸化窒素(NO)合成酵素阻害剤であるL-NNAと7-NIの投与後に著しく抑制され、NO産生の前駆物質であるL-arginine投与により抑制からの回復が認められた。 2.NOの情報伝達機構中の興奮性シナプスでの受容体であるNMDA受容体のアンタゴニスト(MK-801)投与によっても嚥下誘発は抑制され、アゴニスト(NMDA)投与により回復した。これらの知見から、咽頭からの感覚情報による嚥下誘発機構に孤束核内のNMDA-NO経路が介在し、情報伝達に重要な働きをしていることを明らかにした。 3.小児を被験者に、摂取する一口量のばらつきがほぼ一定するのは混合歯列初期の永久前歯交換後である点を明らかにした。同時に、硬さの異なる食品を使った給食再現実験を行い、副食だけの硬さを変えても、食事全体に要する咀嚼時間や咀嚼回数にはほとんど変化が認められないこと、すなわち食物摂取前の認知期ですでに、口に取り込む食品量が調節されていることを解明した。これは、食経験による経験、つまり食物の認知、記憶、そして学習によるものであろうと推察された。
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Research Products
(3 results)