2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16592052
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
西田 郁子 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (80198465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 光孝 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (70047801)
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Keywords | Ca / イプリフラボン / 軟骨内骨化 / 第2次性徴期 / ラット |
Research Abstract |
当教室ではヒトの幼児期に相当する生後5週齢のラットを用いた研究において、Caとイプリフラボン(IF)が軟骨内骨化による骨形成を促進することを光顕的および電子顕微鏡学的検索によって明らかにした。本研究では、生涯で骨量増加量が最大になる時期であるヒトの第2次性徴期にあたる思春期に相当する8週齢ラットを用いる.カルシウム摂取不足により骨虚弱状態を惹起させた後、標準食、高カルシウム食およびIF添加食を与え、カルシウム摂取量とIFが思春期の軟骨内骨化に与える影響に関して、光顕的、超微形態的観察を行った。 光顕的所見では、カルシウム摂取量が不足すると、下顎頭軟骨細胞層は広く、肥大帯軟骨細胞層を囲む石灰化基質および侵食する所見は減少し、骨虚弱状態を呈していた。その後、カルシウム含有量の高い食餌を摂取すると、石灰化基質の増加とそれを侵食する軟骨吸収細胞の増加がみられ、骨基質においても骨芽細胞の増加が見られ、骨梁も太く、軟骨層に垂直に走行していた。高カルシウム食と同時にIFを摂取すると、軟骨組織から骨組織への置換促進がさらに顕著にみられた。超微形態学的所見では、カルシウム摂取量が不足するとコラーゲン原繊維が石灰化していない部分が多く、骨基質では骨吸収の促進がみられた。カルシウム摂取により、骨吸収所見より骨基質形成所見が広範囲にみられ、多数の骨小腔とその周囲を一定方向に走行するコラーゲン原線維束がみられた。IFを同時に摂取することにより、骨代謝回転は顕著に促進されていた。 以上の結果より、第二次性徴期に骨虚弱状態に陥っても、IFをカルシウムと同時に摂取することにより、下顎頭軟骨層の成長促進、軟骨基質の石灰化促進に引き続き、骨吸収抑制および骨形成促進が行われ、対照群と同程度までに回復することが、光顕的および超微形態的に明らかとなった。さらに、17年度は透過型電子顕微鏡により細胞レベルでの評価を行う。
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