2005 Fiscal Year Annual Research Report
咬合高径と口唇閉鎖機能、および咀嚼筋活動との相互関係について
Project/Area Number |
16592053
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Research Institution | KYUSHU DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
山口 和憲 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (50112214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一田 利道 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (70094761)
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Keywords | 咬合高径 / 下顎骨の時計回転 / 開咬 / 口唇閉鎖機能 / 無力性口唇 / 外科矯正 |
Research Abstract |
骨格性の開咬患者にみられる口唇閉鎖機能不全は、顔面の垂直的な長さと関連した口唇閉鎖機能を示していると考えられる。本研究では顎変形症と診断され外科矯正の対象となった骨格性不正咬合者の口唇閉鎖機能を対照群と比較すると同時に術後の変化を比較検討した。 正常な切歯被蓋関係を有し、前歯部に著しい叢生を認めない成人ボランティア(平均年齢:20.5±6.5才)を対照群とし、外科矯正治療を予定している骨格性不正咬合者群ともに、九州歯科大学倫理委員会の承認を受けた研究の目的と計画を説明し、インフォームドコンセントを得た。 被験者は安静時における口唇閉鎖時(EMLC)と離開時(EMLA)の下唇の筋活動をもとにcompetentlip群とincompetent lip群に分類した。安静時の下唇の筋活動の他に、チューイングガム30回咀嚼中の筋活動を記録した。機能測定装置(PowerLab)を用いて1kHでサンプリングしパーソナルコンピュータに記録し30秒間の積分値を算出し、筋活動期と弛緩期に区分けして咀嚼運動リズムの評価を行い、以下の結果を得た。 1.顎変形症患者はすべてincompetent lip群に分類された。 2.顎変形症患者の咀嚼サイクルが延長する傾向が認められた。 3.顎変形症患者のincompetent lipは外科矯正術後には回復する傾向が著明であった。 4.術後、ガム咀嚼の運動リズムは短縮する傾向が見られた。 5.顎変形症患者の顎顔面の前後的関係は改善した。 これらの結果より、顎顔面形態の不調和が口唇閉鎖機能に、外科的矯正治療は審美的改善のみならず、口唇閉鎖機能の改善にも効果があることが分かった。
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Research Products
(3 results)