2004 Fiscal Year Annual Research Report
永久歯の萌出順序の違いと顎顔面形態、歯冠幅径、成長・発育との関連について
Project/Area Number |
16592054
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
倉林 仁美 昭和大学, 歯学部, 講師 (20255889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 信太郎 昭和大学, 歯学部, 講師 (60186848)
向山 賢一郎 昭和大学, 歯学部, 講師 (60190849)
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Keywords | 永久歯交換順序 / 成長発育 / 顎顔面形態 / 唇顎口蓋裂 |
Research Abstract |
昭和大学歯科病院矯正科に登録されている混合歯列期の患者で、診療録の記載が正確にされている診療録、口腔内写真、パノラマエックス線写真により乳歯の脱落年齢、永久歯の萌出年齢より、最初に萌出する永久歯が中切歯であるものを切歯先行萌出型(以下I型と略記)、第一大臼歯であるものを大臼歯先行萌出型(以下M型と略記)として大別し、第二大臼歯の萌出開始期が側方歯群の交換期以降のもの(以下離開型と略記)と交換中のもの(以下重複型と略記)に大別し、側面セファロにより顎顔面形態の分析を行った。 その結果、非裂者においては、永久歯の萌出順序と不正咬合の関係として、最初に萌出する永久歯が下顎第一大臼歯(M型)から下顎中切歯(I型)へと変遷し、1980年代に出生の男児の68%、女児の62%は下顎中切歯からの萌出であり、口蓋裂児では男女ともこの割合が高く(男児75%、女児69%)、これらの割合は年代的に増加していることが示唆された。なお、中切歯先行萌出者(I型)の歯冠近遠心幅径は大臼歯先行萌出者(M型)に比べて大きく、不正咬合では叢生や上顎前突症が多く、下顎前突症が少ないという傾向をそれぞれ示していた。 また、不正咬合裂群(唇顎口蓋裂患者)においては、重複型の頻度は女子が高く、下顎は大きい傾向にあった。非裂者の研究で示唆されたこれは、非裂者で行われた研究と一致するものであり、上顎骨の劣成長や下顎の過成長を多く含む骨格性反対咬合症患者では、上顎第二乳臼歯の脱落がわずかに遅く、下顎第二大臼歯の萌出がわずかに促進されることで重複型の発現率が高くなることが示唆された。
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