2005 Fiscal Year Annual Research Report
二次口蓋融合時における口蓋上皮の上皮-間葉トランスフォーメーションの解明
Project/Area Number |
16592055
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中嶋 昭 日本大学, 歯学部, 助手 (50297842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯川 桂太郎 日本大学, 歯学部, 教授 (50168283)
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Keywords | 二次口蓋融合 / 上皮-間葉細胞 / Medial edge of epithelial / 口蓋裂 / 成長発育 |
Research Abstract |
口蓋融合部の上皮(Medial Edge of Epithelium : MEE)の運命は、次の三つの仮説が考えられている。一つ目に、細胞が死期の運命をたどるProgramming Cell Death(PCD)、二つ目に、近接する上皮へのMigration、最後に、上皮-間葉組織のTransformation(EMT)の三つが考えられており、これらの複合によるものともされているが、未だ正確なMEEの細胞マーカーがないため明らかとなっていない。そこで、今回申請者は、上皮および間葉の細胞マーカーを使用し、MEEに特に関係の深い遺伝子免疫染色を重ね合わせることにより、二次口蓋融合時のMEEの運命について明らかにした。 実験に使用したWnt1-cre/R26R double transgenic mouseのCranial Neural Crest drive(CNC)の細胞は、β-gal(+)細胞として口蓋の間葉組織に認められた。しかし、口蓋の間葉細胞にはβ-gal(-)の細胞についても認められた。これらの細胞を明らかにするため、DiI染色を行い、口蓋融合後にMEE由来の間葉組織があるかについて重ね合わせを行った。その結果、口蓋融合後にDiI(+)の間葉組織が認められ、それらはβ-gal(-)間葉組織であり、明らかにCNC由来の間葉組織とは区別することができた。さらに、申請者らは、MEE細胞と関係が深い、TGF-β3およびTGF-β type III receptorについて、免疫染色を行い、その重ね合わせに成功した。TGF-β3については、MEEを含むすべての上皮細胞に発現を認め、TGF-β type III receptorについては、MEE上皮に特異的な強い発現を認めた。これら、TGF-β3(+)およびTGF-β type III receptor(+)細胞については、すべてβ-gal(-)であった。DiI(+)上皮細胞は、TGF-β3およびTGF-β type III receptor(+)であり、口蓋融合後のDiI(+)の間葉組織は、それぞれ、TGF-β3(+)であり、TGF-β type III receptor(-)であった。 以上より、申請者らは、細胞のheritable markerおよびcell lineage dyeを使用し、MEE細胞の上皮-間葉トランスフォーメーションについて明らかにした。
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