2006 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児の口腔環境ならびに歯科疾患発症の特異性の解明とその予防法の確立
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16592060
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
福田 理 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60090148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正樹 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (20213085)
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Keywords | 重症心身障害者 / 歯周疾患 / 専門的口腔清掃 / 歯周病関連細菌 / ベリオチェック / 発熱日数 / ダウン症候群 / エナメル質脱灰性 |
Research Abstract |
1)重症心身障害者施設入所者93名における歯周検査の結果,歯肉所見は歯科疾患実態調査に比べて早期に悪化しており,20歳代から進行した歯周疾患に罹患していた。ペリオチェック検査においても20歳代から強陽性(++)を示す者がみられはじめ,さらに,歯肉所見がなくともペリオチェック検査が陽性(+)を示す者がみられその割合は年齢とともに増加していた。 2)重症心身障害者施設入所者に対する歯科衛生士による専門的な口腔清掃前の検査でペリオチェック強陽性(++),BOP(+)を示した3名を対象にペリオチェック,BOPの変化を専門的口腔清掃後の16週間,経日的に観察した.その結果,専門的な口腔清掃後1週間で全員が両指標とも(一)となったが,3症例の内2症例が12週目にペリオチェック(+),BOP(+)に転じた.さらに,他の1例においても16週目にBOP(+)となっており,専門的な口腔清掃後16週目には程度の差こそあれ,どの症例にも歯周病の臨床所見が再度現れはじめていた.この結果は,重症心身障害者に対する専門的な口腔清掃の実施は,12〜16週間隔が1つの目安になることを示唆している. 3)重症心身障害者入所施設における歯科衛生士による口腔衛生管理開始前後(1998年と2000年)の入所者の口腔衛生状態の変化と発熱の関連について検討した結果,1年間の一人平均発熱日数は口腔清掃管理後(2000年)に26.9日から14.4日と有意に減少した. 4)Down症児の低齲罹患性の要因を知る目的で乳歯エナメル質の脱灰性をコンタクトマイクロラジオグラフイーを用いて健常児の乳歯エナメル質と比較した.エナメル質脱灰液による脱灰深度は健常児切片では85.14±26.33μm、Down症児切片では69.81±26-40μmと健常児切片のほうが深くなっていた。
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Research Products
(2 results)