2006 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞-抗原提示細胞の多様な相互作用が歯周病の病態を決定するか?
Project/Area Number |
16592066
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中島 貴子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40303143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山碕 和久 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00182478)
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Keywords | CD1d / NKT細胞 / 樹状細胞 / B細胞 / ケモカイン / 歯周炎 |
Research Abstract |
1.CD1d分子拘束性に誘導されるNKT細胞と歯周病原性細菌抗原との反応を解析した。5人の健常人末梢血の単核細胞分画から、α-GalCerを抗原としてTCRVα24+Vβ11+NKT細胞ラインを確立した。ライン樹立時の抗原刺激、ならびに樹立後の多種の抗原による刺激実験には、同一人の単球から分化させた樹状細胞を抗原提示細胞として用いた。NKT細胞ラインをPorphyromonas gingivalis, Actinobacillus actinomycetemcomitansのリポポリサッカライド(LPS)で刺激し^3H-TdRの取り込みにより増殖応答を検討した結果、細菌由来LPSにはNKT細胞増殖活性は認められなかった。また、NKT細胞のサイトカイン産生をフローサイトメトリーにより検討したところ、同LPS刺激ではIFN-γとIL-4の産生誘導はなされなかった。しかし未刺激の樹状細胞とNKT細胞の共培養ではNKT細胞の増殖が認められたことから、樹状細胞が何らかの自己抗原をNKT細胞に提示して活性化を誘導している可能性が示唆された。 2.平成16年度の歯周炎歯肉組織におけるCD1d陽性細胞とNKT細胞の免疫組織化学染色解析の結果から、B細胞がNKT細胞に抗原提示している可能性が示唆された。歯周炎組織に豊富に存在するB細胞の浸潤にケモカインCXCL13が閣与していると考え免疫組織染色ならびにリアルタイムPCR法により検討した。その結果CXCL13とB細胞マーカーであるCD19の発現に正の相関が認められた。B細胞エリアにはCXCL13の発現とともにそのレセプターであるCXCR5の発現も一致して認められた。またCXCL13の産生細胞として知られている通常二次リンパ節組織のB細胞濾胞に存在する濾胞樹状細胞がB細胞エリアに浸潤していることも明らかになった。
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