2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨吸収から骨形成転換のためのカップリング・ファクター解明に関する基礎的研究
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16592072
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
原 宜興 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60159100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 達也 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (80271112)
吉村 篤利 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70253680)
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Keywords | B細胞 / 骨吸収 / TNF-α / 破骨細胞 / 病理組織学的研究 |
Research Abstract |
実験群としてSCIDマウスに正常マウスから分離したB細胞を移入した移入群を、対照群として正常マウス群及びSCIDマウス群を用いた。各群のマウス歯肉に、LPSを13回投与した後屠殺し、通法に従って病理組織切片を作製した。そしてこれらの切片にH.E染色、CD20の免疫染色、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP)染色を行った。In vitroでは、LPSを13回投与した正常マウス脾臓からB細胞を分離してLPSで刺激したLPS刺激B細胞を用いた。正常マウスのbone marrow macrophage(BMM)をMCSFとRANKLの存在下で3日間培養し、その後未刺激B細胞、LPS刺激B細胞、またはLPS刺激B細胞とanti-TNF-α抗体を添加した群を作製した。培養後多核のTRAP陽性細胞数を計測した。 C.B-17群では骨面の不整が強く、対照的にSCID群では骨面の不整はほとんど観察されなかった。一方移入群では骨面の不整が観察された。In vitroでは未刺激のB細胞との共培養や、MCSFのみで培養した場合と比べて、LPS刺激B細胞は、有意に多核のTRAP陽性細胞を誘導していた。さらに、anti-TNFα抗体によって、そのLPS刺激B細胞による破骨細胞形成促進作用は完全に抑制された。 SCIDマウス群と比べて移入マウス群では吸収窩及び破骨細胞が多数認められた。これはB細胞が炎症性骨吸収に対して促進的に働いていることを示している。また、LPS刺激B細胞が破骨細胞形成に促進的に関与し、その作用がanti-TNF-α抗体によって抑制されることから、B細胞はLPSによって刺激されてTNF-αを発現し、破骨細胞生成に対して促進的に関与することが示唆された。
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Research Products
(1 results)