2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト歯根膜細胞特異的な既知あるいは未知のフェノタイプマーカーの探索
Project/Area Number |
16592078
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小林 誠 昭和大学, 歯学部, 講師 (80186767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 伸也 大阪大学, 歯学部, 教授 (70239490)
宮澤 康 昭和大学, 歯学部, 講師 (90219775)
大峡 淳 昭和大学, 歯学部, 助手 (40266169)
岡松 良昌 昭和大学, 歯学部, 助手 (50286845)
滝口 尚 昭和大学, 歯学部, 助手 (60317576)
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Keywords | 歯周組織再生 / 培養ヒト歯根膜細胞 / 間葉系幹細胞 / 細胞表層分子 / gene exression profile解析 / 多分化能 |
Research Abstract |
本研究では培養歯根膜細胞とその細胞からソーティングした間葉系幹細胞との比較により、ヒト歯根膜細胞特異的な既知あるいは未知のフェノタイプタイプマーカーを探索することを目的として、本年度は以下に示す研究成果を得た。 (1)培養ヒト歯根膜細胞における間葉系幹細胞を含めた各種細胞マーカー(細胞表層分子)の発現パターンとその継代による変化の検討 初代ヒト培養歯根膜細胞における各種細胞マーカー陽性細胞率は、間葉系幹細胞マーカー;CD105(65%),CD44(82%),CD29(60%)、インテグリン;CD49c(45%), CD49e(82%)は高く,一方インテグリン;CD49d(2%),CD49f(1.1%)、造血幹細胞マーカー;CD117(0.02%)、神経幹細胞マーカー;AC133(1.5%)、side cell populationマーカー;ABCG2(0.7%)、造血系細胞マーカー;CD34(1.9%),CD45(1.9%)は低く、またこれらの発現頻度の継代による顕著な変化は認められなかった。 (2)培養ヒト歯根膜細胞の多分化能検討 ヒト歯根膜細胞(HPDLC)とヒト骨髄由来間葉系幹細胞(HMSC)は共にほぼ同程度に骨芽細胞へ分化したが、脂肪細胞への分化はHPDLCと比較してHMSCで顕著であった。また、ALP^<Low>のHPDLCはALP^<High>のHPDLCと比較して骨芽細胞へ分化能は低く、脂肪細胞への分化は高い傾向性を示した。一方、軟骨細胞への分化はHMSCのみにおいて確認された。これらの結果は、現在、HPDLC中には骨芽細胞と脂肪細胞へ分化しえる前駆細胞が存在していることを示している。現在、ALP, STRO-1+,ABCG2を指標としてHPDLCからより高い多分化能を有する間葉系幹細胞の分離を試みている。
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