Research Abstract |
1.ROS17/2.8骨芽細胞様細胞を,塩基性線維芽細胞成長因子(FGF2,10ng/ml)および細胞内cAMPを上昇させるフォルスコリン(FSK;1μM)にて単独または同時に刺激後,全RNAを抽出し,Real-time PCRを行った。FGF2とFSKは,6時間後にそれぞれBSPmRNA量を5.4倍および8.2倍増加させた。一方,FGF2とFSKで同時に刺激するとBSPmRNA量は,約20.4倍増加した。 2.ルシフェラーゼベクターに,長さを調節したBSPプロモーター遺伝子を挿入し,ROS17/2.8細胞に導入後,FGF2(10ng/ml)およびFSK(1μM)にて単独または同時に刺激を行った。FGF2(10ng/ml)およびFSK(1μM)にて6時間刺激を行うと,BSPプロモーターの-116〜+60塩基対を含むコンストラクトの転写活性は,2.6倍および5.3倍上昇し,FGF2とFSKにて同時に刺激すると,転写活性は約15倍上昇した。BSPプロモーター配列中の,逆方向のCCAAT配列,cAMP応答配列(CRE),FGF2応答配列(FRE),Pit-1配列に2塩基ずつの変異を挿入すると,FGF2およびFSKの効果は減少した。 3.上記の4つの応答配列に対する核内タンパク質の結合を,ゲルシフトアッセイにて検索した。FREへの核内タンパク質の結合はFGF2およびFGF2+FSK刺激で増加し,Pit-1への核内タンパク質の結合は無刺激のコントロールで認められ,FSKおよびFGF+FSK刺激で,減少した。CCAATおよびCREへの核内タンパク質の結合量は変化しなかった。以上の結果から,FGF+FSKは同時刺激することにより相乗効果を示し,BSPプロモーター中のCCAAT,CRE,FREおよびPit-1の4つの応答配列を介して作用することが明らかになった。
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