2004 Fiscal Year Annual Research Report
地域の歯科保健拠点施設における保健事業が及ぼす長期的影響に関する研究
Project/Area Number |
16592085
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福田 英輝 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (70294064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 範幸 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90207829)
高鳥毛 敏雄 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20206775)
新庄 文明 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30154389)
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Keywords | 保健事業 / 予防歯科 / 歯科保健拠点施設 / 喪失歯数 |
Research Abstract |
兵庫県N町歯科保健センターが実施、保管していた昭和58年から平成10年までの歯科健診票をもとに、受診者の口腔内状態に関する基礎データを作成した。さらに、受診者本人が、歯科保健センターにて歯科健診後のフォローアップ事業として実施してきた個別の口腔保健相談、ブラッシング指導、あるいは歯石除去を受診したかどうかの項目を加えることにより、歯科保健センターが実施する予防事業の効果を分析した。分析は、歯科保健センターにて5年以上フォローができた742名について実施した。その結果、年間の平均喪失歯数は、予防事業を「0〜1回」受診した者で0.53本、「2〜4回」受診した者で0.35本、「5回以上」受診した者で0.27本であった。年間の平均喪失歯数は、45歳未満、45〜54歳、55〜64歳、および65歳以上のいずれの年齢階級においても、予防事業の受診回数区分が大きくなるにつれて、小さかった。受診者の口腔衛生状態は、DI、およびCIにて測定した。年間の平均喪失歯数は、受診者の初期の口腔衛生状態が「良」、「不良」の状態のいかんに関わらず、予防事業の受診回数区分が大きくなるにつれて、小さかった。この結果は、いかなる年齢階級の受診者であっても、あるいはいかなる口腔衛生状態であっても、長期にわたる歯科保健拠点施設が行う予防事業は、歯牙喪失予防において重要な役割を有していることを示している。 本年度に作成した基礎データをもとに、今後、全身の健康状態との関連について分析をすすめることを予定している。現在、兵庫県N町の協力を得ながら、老人保健法にて実施されている基本健康診査のデータとの突合作業をすすめているところである。なお、本分析では、個人の健康情報を扱うため、個人情報の保護には十分な配慮を行うと共に、長崎大学歯学部倫理委員会への説明を行い、既に倫理委員会からの承認を得ている。
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