2005 Fiscal Year Annual Research Report
福岡県85歳追跡調査における咀嚼能力・現在歯数と、痴呆および動脈硬化の関係
Project/Area Number |
16592092
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
福原 正代 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (90360057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (80244789)
高田 豊 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40163208)
秋房 住郎 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (40295861)
園木 一男 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (50316155)
脇坂 正則 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (60274437)
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Keywords | 高齢者 / 動脈硬化 / 認知症(痴呆) / 疫学調査 / 住民 / 脈波伝播速度 |
Research Abstract |
【目的】Mini-mental state examination(MMSE)は、標準化された認知機能評価尺度である。日本人でのMMSE得点の正常値は24点以上だが、超高齢者での報告は少なく、またその障害の危険因子も明らかでない。本研究では、85歳の一般住民を対象にMMSEをおこない、血圧や脈波伝播速度(PWV)など動脈硬化関連因子との関係を検討した。 【方法】対象は、福岡県下9市町村で実施した口腔状態および全身状態の健診を受診し、MMSEおよび上腕-足関節間PWVを受けた203名(男性87名、女性116名)である。身長、体重、血圧、心電図、血液検査を施行した。認知障害に関係する因子を検討した。 【成績】全対象者203名のMMSE得点は、23.8±0.3点(平均±標準誤差)で、性差はなかった。MMSE正常群(MMSE得点24点以上、n=128)とMMSE低下群(n=77)との間にbody mass index(BMI)、収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧、総コレステロール(TChol)、HbA1cに有意差はなかった。PWVはMMSE正常群22.9±0.5m/sec、MMSE低下群24.9±0.8m/secで、有意にMMSE低下群で高値であった(p<0.05)。性別、BMI、SBP、PWV、脈圧、心電図SV1+RV5、TChol、HbA1c、喫煙、飲酒、教育歴について、MMSE得点との単相関をとると、PWV、SV1+RV5、教育歴が有意となった。重回帰分析でもPWV、SV1+RV5、教育歴のみが有意な説明変数となった(p<0.05)。閉塞性動脈硬化症の影響を除外するため足関節上腕血圧比が0.9以上の183名で再度分析したが、結果は同様であった。 【結論】85歳の一般住民において、PWVは認知障害の独立した説明変数であった。PWVは動脈硬化性血管病変を反映するひとつの指標であるが、85歳という超高齢者においても、認知機能が、動脈硬化性血管病変の進行にともなって障害されると考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Relationship between chewing ability and 4-year mortality in a cohort of 80-year-old Japanese people.2006
Author(s)
Ansai T, Takata Y, Soh I, Akifusa S, Sogame A, Shimada N, Yoshida A, Hamasaki T, Awano S, Fukuhara M, Takehara T.
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Journal Title
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