2005 Fiscal Year Annual Research Report
達成動機を刺激する模擬患者を用いた看護技術教育方法の開発に関する研究
Project/Area Number |
16592111
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森田 敏子 熊本大学, 医学部, 教授 (30242746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 保子 信州大学, 医学部, 教授 (50269560)
岩本 テルヨ 熊本大学, 医学部, 教授 (80285444)
木子 莉瑛 熊本大学, 医学部, 講師 (40253710)
南家 貴美代 熊本大学, 医学部, 助手 (80264315)
有松 操 熊本大学, 医学部, 助手 (50289659)
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Keywords | 看護教育 / 看護技術 / 教育方法 / 模擬患者 / 達成動機 / 看護学生 |
Research Abstract |
看護教育では、看護実践能力の育成は重要な課題である。臨地実習において、患者の身体への侵襲性の高い看技術を学生が実施する際には、患者への説明能力を十分に身に付けさせ、事前に実践可能なレベルまで看護技術力を修得させておく必要がある。 そこで、模擬患者を導入した教育方法の教育効果を明らかにするために、看護技術「筋肉注射」の技術試験を行い、学生が患者役割を担う場合と、模擬患者が患者役割を担う場合とで比較検討した。なお、筋肉注射は、"きんちゅうくん"部分モデルを装着して行った。また、模擬患者を導入した看護技術教育は、学生の達成動機や自己効力感を高める効果があるか、学習意欲を高められるかなど、心理的側面の学習支援についても検討した。 本研究は、K大学倫理審査委員会の承認を得て行った。 模擬患者は、Q大学医療系統合研究センターに登録して訓練を受けている模擬患者6名に協力を得た。 研究の趣旨を学生に説明し、同意が得られた学生を対象に、事前調査をして技術試験を行い、3回の練習を教示した。1ヶ月後に模擬患者を導入した技術試験を行い、事後調査を行った。 調査内容は、達成動機、自己効力感、エゴグラム、模擬患者を導入した看護技術試験に対する認識、技術試験の自己評価などである。 模擬患者を導入した技術試験の前後で比較すると、教育効果(有用、有益、効果的、継続など)や教育方法(重要、適切、刺激的、実力発揮など)、臨場感(実践的,緊張感など)、対人関係(コミュニケーション能力)、学習意欲(やる気、達成感など)は上昇したものと低下したものがあり、一概に教育効果があるとは言い難い。模擬患者を導入するその方法を工夫することで、教育効果が高められ、達成動機や自己効力感も高められるのではないかと示唆された。 教育効果を高めるための導入の仕方が今後の課題となった。
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