2006 Fiscal Year Annual Research Report
看護職の専門職的自律性と継続教育への取り組みに関する日中比較研究
Project/Area Number |
16592124
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Research Institution | AICHI PREFECTURAL COLLEGE OF NURSING AND HEALTH |
Principal Investigator |
平井 さよ子 愛知県立看護大学, 看護学部, 教授 (70290046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
賀沢 弥貴 愛知県立看護大学, 看護学部, 助教 (10363954)
上田 智子 岡崎女子短期大学, 人間福祉学科, 講師 (90390046)
鈴木 英子 山形大学, 医学部, 准教授 (20299879)
佐藤 千史 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (60154069)
飯島 佐知子 愛知県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80389890)
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Keywords | 看護職 / 専門職的自律性 / 継続教育 / 免許制度 / キャリア向上 |
Research Abstract |
本研究は、日中両国の看護専門職にとって重要な役割を持つ看護継続教育制度の違いを概観する中で、両国の看護職の継続教育への取り組みや専門職的自律性の実態およびそれらに影響する要因を明らかにし、看護職者が専門職として成り立つために、整備すべき要件を示唆するものである。 平成18年度は、看護職者の専門職的自律性への支援方略を構築することを意図し、専門職的自律性の実態、継続教育への取り組みやこれを支援する看護管理者の影響、また職務満足度などとの関連を明らかにした。 対象病院は日本のA県周辺に位置する中規模の公立病院の4病院に勤務し、研究参加に同意が得られた看護職940人を対象とし、自記式質問調査(看護師の属性、専門職的自律性 Nursing Activity Scale:以下NAS、Head Nurse Scale:以下NAS、Finisher Task Delegation:以下FTD、看護継続教育への取り組みに関する質問)を郵送留め置き法にて実施した。 その結果、専門職的自律性の有無別関連要因として、(1)平均年齢・看護経験年数・職務満足度・HNS得点はそれぞれ有意に(P<0.01、P<0.01、P<0.01、P<0.05)リスク群が低くかった。(2)独身者・スタッフ・既婚者が有意にリスクが高かった。学会所属及び参加の有無・看護専門誌の定期購読及び購読の有無が有意にリスクを高めていた。また、院内講義及び院外講義参加回数が少ないが有意にリスクを高めていた。(3)職業的自律の複合的影響要因は、有意なリスク比の得られた変数、及びリスク者と非リスク者の平均得点に有意な差の見られた年齢、看護経験年数、HNS、職場満足度を用い多量ロジスティック解析を行いステップワイズ法で変数選択を行った。その結果、学会参加、看護専門誌購読、病院、職場満足度が選択されリスク比は学会参加「無」は「有」の3.24倍(P<0.01)、看護専門誌の購読「無」は「有」の2.05倍(P<0.01)、職場満足度は、1点減るごとにリスクが1.01倍であった。 このことより、看護師の自律性には学会参加や看護専門誌の購読の有無及び職場満足度が関連していた。看護師の職業的自律性を促すために、病棟内の誰もが自己研鑽に励むことができるような人材育成システムを作り、学会の参加や看護専門誌の購読に対する動機付けができるようにすることが重要であることがわかった。 なお、平成16年度〜18年度の研究結果は報告書として提出する。
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Research Products
(1 results)