2004 Fiscal Year Annual Research Report
出産教育における参加者と指導者の相互作用とエンパワーメントに関する研究
Project/Area Number |
16592140
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
亀田 幸枝 金沢大学, 医学部, 助手 (40313671)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 啓子 金沢大学, 医学部, 助教授 (60115243)
田淵 紀子 金沢大学, 医学部, 助教授 (70163657)
坂井 明美 金沢大学, 医学部, 教授 (90115238)
|
Keywords | 出産教育 / エンパワーメント / 相互作用 / 参加者 / 助産師 |
Research Abstract |
【今年度の研究目的】 エンパワーメントの概念は学問分野や領域によってその定義は異なるため、まずエンパワーメントに関する文献資料を検討し、本研究で用いるエンパワーメントを「親になっていく女性が資源を分け合い協力しながら、自分のニーズや課題を解決しようとその人自身、他者、あるいは環境に働きかけ意思決定していくこと。またそのプロセスを通じてその人自身が持っている力が増大している状態」と定義した。その上で、参加者をエンパワーできる出産教育方法の示唆を得るために、今年度は参加者をエンパワーしている助産師の技を明らかにすることを目的とした。 【方法】 研究協力に同意が得られた総合病院Aで行われている3つの出産教育クラスを対象に、ビデオ録画および研究者の参加観察によりデータ収集した。分析は、本研究の研究者3名と母性看護領域の大学院生2名の複数で行った。分析の視点は(1)エンパワーメントが生じているのか否か、(2)どのような相互作用や関係性からエンパワーメントが生じているのか、(3)その時に存在する助産師の技は何か、とした。 【結果および次年度の課題】 今回対象としたクラスはハイリスクの参加者が多く、助産師からの知識提供が主となり相互作用がほとんど生じず、研究者らが定義するエンパワーメントを観察できなかった。よって、目的に掲げた"参加者をエンパワーする助産師の技"を示すことは難しい。しかし、参加者がエンパワーメントできるための前提条件として、(1)和やかな雰囲気や共通の目標の中で自分の存在がお互いに受け入れられる、つまり「クラスの共有性とそこにいてもいい安心感」を参加者が感じること、(2)知りたいことを知る、わからないことが理解できる、つまり参加者が「自分に起こる状況をイメージできる」の2点が示唆された。サンプリングに課題が残されたため、次年度はローリスク妊婦を対象とする助産院で行われているクラスを加える予定である。
|