2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16592141
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
多崎 恵子 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (70345635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 美智子 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (40115209)
河村 一海 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (50251963)
松井 希代子 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (90283118)
村角 直子 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (30303283)
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Keywords | 糖尿病 / 患者教育 / 看護師 / 教育スタイル / 評定尺度 / 糖尿病療養指導士 |
Research Abstract |
【目的】 糖尿病患者が増加の途をたどるわが国の現状において、看護師による効果的な糖尿病教育技術の向上は急務といえる。そこで、看護師がどのような教育スタイルをもっているのかその実態を明確化することは、看護職がその3割以上を占める糖尿病療養指導士の教育システムの基盤づくりの第1段階として重要と考える。本研究の目的は、糖尿病教育に携わる看護師が教育スタイルを自己評価する評定尺度を開発し、看護師が実施している糖尿病教育スタイルの実態および教育スタイルと教育背景や実践現場の環境等との関連を明らかにすることである。 【方法】 54項目の質問項目(4評定法)を作成し、対象者の背景および実践環境、一般的自己効力感尺度(GSE)を加え質問票とした。金沢大学医の倫理等審査会にて承認を得て調査を開始した。倫理的配慮を説明する文書を添え質問票の返送をもって研究参加の同意とした。日本糖尿病学会認定施設464施設に研究参加を依頼し、同意のあった239施設に2899通の質問票を送付し1593通(54.9%)が回収された。調査期間は平成17年7月29日〜9月30日。構成概念妥当性には因子分析、弁別性妥当性にはG-P分析、信頼性にはクロンバッハのα係数、基準関連妥当性にはGSEを用いた。データ解析にはSPSS13.0を用いた。 【結果および考察】 2899通のうち返送のあったのは1593通(回収率54.9%)、有効回答率は1096(68.8%)であった。K-means法によるクラスタ分析にて3クラスタにグループ化し、折れ線グラフにて示される3セグメント解の平均プロファイルよりグループによる平均値の差が不明確な20項目を削除し、最尤法、プロマックス回転にて因子分析を行った。その結果固有値1以上の基準で10因子とし、累積寄与率は57.54%であった。第1因子〜第4因子、第9因子の5つの因子10項目は「生活心情がみえているスタイル」、第6因子〜8因子の3つの因子7項目は「心に密着するスタイル」、第5因子と第10因子は「一般的知識を提供するスタイル」で解釈可能であった。G-P分析にてそれぞれの項目の上位群と下位群に有意差がみられ弁別性妥当性が確認できた。3つのスタイルごとのα係数は0.558〜0.798であることからある程度内的整合性があるといえた。3つのスタイルごとの項目平均値とGSE得点との関連性はt検定にて「生活心情がみえているスタイル」と「一般的知識を提供するスタイル」にて有意差がみられた。「心に密着するスタイル」については差がみられなかったが、今後尺度化していくうえで慎重に検討する必要がある。
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Research Products
(4 results)