2004 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性心疾患患者の療養行動支援のための身体活動評価スケールの開発
Project/Area Number |
16592144
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮脇 郁子 神戸大学, 医学部, 助教授 (80209957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 英之 神戸大学, 医学部, 助教授 (00294231)
傳 秋光 神戸大学, 医学部, 教授 (40143945)
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Keywords | 虚血性心疾患 / 身体活動 / 評価スケール |
Research Abstract |
今年度は、身体活動評価スケールの項目を収集するために、外来通院中の虚血性心疾患患者(男性26名、女性24名)を対象に、冠危険因子是正に向けて行っている身体活動内容とそれらを継続するための工夫について半構成的面接を行った。また、パイロットスタディとして、面接で得られた工夫の実施状況と身体活動量との関係について検討した結果、以下の成果が得られた。 1.身体活動量を増加させるための工夫は、(1)活動強度を高める、(2)歩行の距離を伸ばすの2領域に分類できた。身体活動を継続するための工夫は、(1)日常生活での動作を『運動』であると意識して行う、(2)家族や友人の支援を得る、(3)身体活動の実施状況と実施効果を把握する、(4)積極的な気分転換を行う、(5)歩数の目安を設定する、の5領域に分類できた。 2.女性患者では、身体活動量を増やすために、買物や炊事などのなかで歩行距離を伸ばすために遠方の店まで歩くや、歩行時間を増やすためにまとめ買いを止めて分割するなどの工失を行っていた。心臓への過負荷を避けることで安心して家事を継続するために、「家事動作時の負担を減らす」という工夫を大半の女性患者が行っていた。男性患者では、発症後に活動量を高めるために家事を始めた人は12例(46.2%)であり、そのうち妻の協力のもとで家事を始めた人は7例(58.3%)であった。身体活動を継続するための工夫では、身体活動量を増加させるも家事や移動などの「日常生活での動作を『運動』であると意識して行う」、とした人は34例(68.0%)で最も多く、男性で22例(84.6%)、女性で12例(50.0%)と男女に違いがみられた(p<0.01)。 3.「日常生活での動作を『運動』であると意識して行う」とした人は、身体活動量が多かった(p<0.05)。男女ともに、ウォーキングなどの運動実施の有無と身体活動量には関連は認められなかった。
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