2006 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性心疾患患者の療養行動支援のための身体活動評価スケールの開発
Project/Area Number |
16592144
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮脇 郁子 神戸大学, 医学部, 助教授 (80209957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 英之 神戸大学, 医学部, 助教授 (00294231)
傳 秋光 神戸大学, 医学部, 教授 (40143945)
齊藤 奈緒 神戸大学, 医学部, 助手 (20403298)
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Keywords | 虚血性心疾患 / 身体活動 / 評価スケール |
Research Abstract |
【目的】虚血性心疾患患者への身体活動における療養支援では,運動量の評価に加え,患者が生活の中に身体活動をとり入れ継続するために行っている工夫などの自己管理行動の評価が重要である.そこで,虚血性心疾患患者の身体活動自己管理行動調査票を作成し,信頼性と妥当性を検討することを目的とした.【方法】文献に基づき質問項目を作成し,専門家による内容妥当性の検討と,患者へのプレテストを行い,調査票案(2領域,5段階順序尺度,各々20項目、19項目からなる)を作成した.次に,EF45%以上の運動制限がない男性虚血性心疾患患者を対象に,1.身体活動に関する自己管理行動:調査票案,2.身体活動量:国際標準化身体活動質問表(IPAQ)・ライフコーダEX,3.安静時エネルギー消費量(REE):メタヴァイン,4.患者背景について調査した.調査票の項目選定は因子分析,内的整合性の検討はクロンバックα,再現性の検討はテスト・再テスト間の級内相関係数,併存妥当性の検討は各因子得点とIPAQやライフコーダEXによる身体活動量との相関係数(rs)の算出により行った.【結果】対象者は,76例(67.0±7.8歳)であった領域1:日常生活に身体活動をとり入れるための工夫は「買物に行くときの歩数を増やす」「移動時の歩数を増やす」「家事での活動量を増やす」は『日常生活での活動を運動であると意識する」の4因子15項目,領域2:身体活動を継続するための工夫は「活動のセルフモニタリング」「気候の変化への対処」「活動の習慣化」「悪天候への対処」「活動に適した時間や場所の選択」の5因子13項目が抽出された.各因子のクロンバックαは0.71〜0.90,再テストによる級内相関係数は0.75〜0.93であった.また,身体活動自己管理行動調査票の各因子とIPAQまたはライフコーダによる身体活動量との問に関連が認められた.なお,REEとは関連が認められなかった.【考察】本調査票の信頼性と妥当性が確認され,2型糖尿病患者の身体活動に関する具体的な自己管理行動を評価できる調査票であると考えられた.
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