2005 Fiscal Year Annual Research Report
褥瘡再発を繰り返す脊髄損傷者の褥瘡予防への対処様相
Project/Area Number |
16592165
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
坂本 雅代 大阪府立大学, 看護学部, 助教授 (80290360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野矢 美佐子 大阪府立大学, 医療技術短期大学部, 講師 (90264829)
前川 泰子 大阪府立大学, 看護学部, 助手 (60353033)
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Keywords | 脊髄損傷者 / 褥瘡 / 褥瘡再発 / 褥瘡への意識 / 褥瘡予防への対処 / 日常生活の影響因子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、社会生活を営む脊髄損傷者で褥瘡発症を繰り返す人の褥瘡発症に影響を及ぼす生活要因を明らかにし、脊髄損傷者の褥瘡予防に向けた看護に活かすことである。調査対象者は、近畿東海地域在住の脊髄損傷者協会会員500名に対して、郵送法による無記名アンケート調査を行った。なおここでは、褥瘡再発者の影響要因を明らかにするため、比較対照として褥瘡未再発者を含めた。調査期間は、2005年7月〜2005年10月で、調査内容は、(1)基本的属性、(2)床ずれ予防について、(3)日頃の生活状況について、(4)床ずれの指導について、(5)床ずれができたときの対処について、(6)床ずれの実際について、(7)床ずれの考え方について、である。 調査結果概要 アンケート回収は280人(56.0%)で、そのうち褥瘡発症の既往者は243人(86.8%)、既往なし者は37人(13.2%)であった。褥瘡発症既往者243人の発症状況は、1回のみの初発者が63人、2回以上の再発者が180人であり、初発者63人の性別は男性50人,女性13人であり、再発者180人の性別は男性145人,女性35人であった。 褥瘡再発者180人の結果概要 平均年齢は、54.5±10.88歳で、損傷レベルは、頸髄損傷者41人、胸腰髄損傷者137人であった。褥瘡再発部位は頸髄損傷者が仙骨部、踵部、尾骨部に、胸腰髄損傷者が尾骨部、仙骨部、座骨部に多かった。日常生活状況では、身体が傾きやすい、姿勢がくずれやすい、身体をずる、便や尿で皮膚が汚れるなどがみられた。褥瘡指導で受けた指導内容では、褥瘡の原因、皮膚の観察法、体位変換、移動方法が多かった。褥瘡の対処では、皮膚が赤くなるなど初期状態では自ら圧迫を除き管理をしていたが、皮膚が腫れたり熱が出るなど不快な身体症状の出現の段階では医療者に見てもらっていたが受診が遅れ気味であった。褥瘡の考えでは、褥瘡に対する苦痛と共に、褥瘡予防に対する意欲がみられた。 脊髄損傷者の褥瘡再発に影響を及ぼす要因には、損傷レベル、姿勢や摩擦、皮膚の湿潤などの身体状況や生活状況などがあり、再発防止には個々の生活に応じた指導が必要である。
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Research Products
(2 results)