2006 Fiscal Year Annual Research Report
「NICUを退院した子ども・家族のエンバワメントを支援するガイドライン」の開発
Project/Area Number |
16592169
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
佐東 美緒 高知女子大学, 看護学部, 講師 (20364135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 綾美 高知女子大学, 看護学部, 教授 (90172361)
益守 かづき 高知女子大学, 看護学部, 助教授 (20238918)
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Keywords | 新生児集中治療室(NICU) / 低出生体重児 / エンパワメント |
Research Abstract |
本年度は、現在までに実施したインタビュー結果をもとに、NICUの同窓会に参加した家族や、NICUを退院したこども・家族に関わりを持った専門職者(保育園の保育士、保健師)を対象として、フォーカスグループを行った。 インタビューでは、多くの家族は自分の子どもと他の子どもの成長・発達を比較し、不安や焦りを感じ、将来への見通しが立たないと話していた。また、相談したいことが発生したときも、相談場所がなく、保育園や学校も相談を寄せられても対応に苦慮するということが明らかになっていた。 専門職者にフォーカスグループを行った結果、保健師では、新生児集中治療室での様子が良くわからず、また、どのような支援が必要とされているのか、実態がつかめないために、支援を十分に行うことが出来ないという意見も聞かれた。超低出生体重児が出生してから退院するまでに、2〜3ヶ月を要する。その間に保健所との連携がとれるケースもあり、その場合には、新生児集中治療室にこどもが入院している間からの連携が図られていた。しかしながら、全例に適応されるわけではなく、多くの場合は、連携は病院側から送られる紙1枚で行われ、問題を把握しきれないことがわかった。療育医療を申請する場面で、保健師が家族と面会する機会を持ち、その後の相談にのっているケースもあったが、担当地区が広く、すべての家族に継続的に関わることは難しいと感じていた。 また、近年、酸素療法や経管栄養など、医療的処置を要するケースも増え、専門的な知識、技術を必要とするケースの場合、退院後に家庭訪問を行っても、どのように接してよいのか、不安であるという意見も聞かれた。 このことから、現在は、ガイドラインの最終的な変更を行い、専門職者、保育士、小学校の養護教諭などが使用できるガイドラインの完成を目指して、まとめを行っている段階である。
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