2005 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疾患を持つ幼児・学童の在宅移行期における自律過程への看護支援プログラムの作成
Project/Area Number |
16592174
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Research Institution | St.Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
平林 優子 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (50228813)
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Keywords | 在宅移行期 / 子どもの自律過程 / 退院 / 在宅看護支援プログラム / 家族 |
Research Abstract |
本研究は、在宅移行期にある慢性疾患を持つ子供が自律に向かうための支援を子どもと家族に向けて行えるプログラムを作成することを目的としている。 平成16年度は、在宅療養をしている子どもの家族10例のインタビューにより、慢性疾患を持つ子どもの在宅療養移行期の家族の体験の過程を分析し、在宅移行期のプログラムにどのような変化を考えるべきかの示唆を得た。この成果は、第26回日本看護学学会学術集会で発表した。 本年度は、当初子ども自身の調査の追加を検討していたが、前年度の考察から子どもから直接十分な情報を得ることは困難と判断し、現在慢性疾患の子ども(幼児および学童前期)の退院への支援あるいは退院後の支援を実施している看護師の面接により、子どもや家族への支援の実施、幼児期・学童前期の子どもの自律への看護が実施できる条件、課題について明らかにすることとした。また研究者が考案中のプログラムへの意見を得た。 所属機関の研究倫理審査委員会で承認を得た計画に従い、関東近郊2箇所の小児専門病院の病棟および外来、在宅支援部門に所属する看護師計13名、小児の訪問を実施する2箇所の訪問看護ステーションの看護師3名に面接を実施した。 上記の調査および昨年度の結果を踏まえ、在宅移行期にある幼児・学童の在宅移行期における自律過程への支援プログラムを作成した。プログラムは、退院前および退院後に分け、以下の4つの柱に沿って考案した。(1)子どもの自律を意識化するシステムづくり、(2)子どもが自律を療養行動に取り入れるステップ(自己の身体の認識と生活行動への導入、社会化に乗せる)、(4)家族への意識づけ(発達の方向性を示す)、(5)家族に必要な生活の支援の変化のさせ方。 本研究は、本年度で終了するが、今後はさらに具体的な疾病ごとの詳細なプログラムに発展させ、実践に活用して有用性を検討していく予定である。
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