2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経難病患者の発病から退職に至るまでの就業中の経験に関する質的研究
Project/Area Number |
16592180
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
秋山 智 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (50284401)
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Keywords | 神経難病看護 / ライフヒストリー / 産業保健 / 就業 / 退職 |
Research Abstract |
ALS、SCD、PDをはじめとする神経難病は徐々に症状が進行し、特に就業している患者にとってはいずれ職業の継続が不可能になる時期がやってくる。退職を決意するまでの経過において、患者は様々な葛藤を繰り返し、そして最終的に退職を決意する過程には何かしら共通する因子があると考えられる。しかし、この期間に焦点を当てた患者の経験の総体を明らかにした研究はなく、産業保健の視点からの神経難病看護の研究は遅れているのが現状である。 本研究の目的は、神経難病患者の発病から退職に至るまでの就業中の経験の総体について明らかにし、産業保健の視点から看護上の示唆を得ることである。 本研究は、対象者のライフヒストリー中において、自身の神経難病の発病、確定診断、症状の進行、そして退職に至る経過の中で対象者が経験した「就業(職業>に対する行動や経験」について概念化し、その総体を解明する因子探索レベルの研究である。データ収集は半構造的な面接法で、分析方法は現象学的方法(colaizzi,1978)を参考に行う。 目的を達成するために、データが飽和化するまでデータ収集・分析を行う。飽和化するまでの対象者の人数は、おおむね10〜20人程度が見込まれ、データ収集及び検討のために、研究期間を3年計画とする。1年あたりの対象者数はおよそ5名前後を予定する。 本年度は、5名の対象者(ALS:1名、SCD:1名、PD:3名)に面接を繰り返しているところである。まだ詳細な分析にまで至っていないが、現時点で【発病を周囲の人に隠す】【症状進行と共に一部の人に明かす】・・・【新たな仕事の獲得】など、いくつかの概念が明らかになりつつある。
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