2005 Fiscal Year Annual Research Report
育児期にある母親の『語り』の意味付けと授助方法の開発
Project/Area Number |
16592184
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川村 千恵子 大阪府立大学, 看護大学医療技術短期大学部, 客員研究員 (20281272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 あや 大阪府立大学, 看護学部, 助手 (20290364)
森 圭子 弘前大学, 医学部, 教授 (30175632)
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Keywords | 育児期 / 母親 / 助産師 / 語り / 育児支援 |
Research Abstract |
17年度は、当該研究目的に照らし、データ収集、分析を行った。研究協力の得られた育児期の母親25名を対象に研究協力助産師が2〜3回の面接を行い、面接データはICレコーダーに録音し、逐語録を作成し、分析素材とした。また、対象の属性や面接に関わる諸条件を統計的に分析した。 1、『語り』の効果について 逐語録から母親自身の主観的評価、面接者である研究協力助産師の客観的評価の2方向から効果を判定した。良い変化ありは13名、変化なしは12例であった。悪い変化へ移行した事例はなかった。1名は行動変容を起こすほど好転した事例があった。 2、『語り』の効果に影響する要因 良い変化を示した対象は、2回目の面接時間が有意に長くなっていた。また、面接場所が母親の自宅の場合面接時間が長かった。面接間隔、母親の属性、子どもの年齢との関係は認められなかった。 3、『語り』の意味づけ 母親達は助産師との面接の中で、語ったことについて、自分を振り返る機会になる、自分が主役になれる、速い時間の流れを変える、専門職に聞いてもらえる安心感、と意味づけていた。 現在は完結したストーリーとして逐語録から解釈できるが、妊娠中から産後早期にうつ状態であったことが伺われ医療にかかっていない事例が2名あった。また、語りの内容として、一貫性がない事例もあった。これらの結果から地域で生活する育児期の母親へ『語り』を使うことの有用性、産後うつ病のスクリーニングとして治療へつなげられる可能性が見出された。 他府県のデータの収集を予定していたが、基礎的研究の段階であるため今後の検討課題とする。
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