2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における術後肺炎の防止を目的とした口腔ケア法の確立
Project/Area Number |
16592192
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
北目 文郎 山形大学, 医学部, 教授 (40004676)
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Keywords | 口腔ケア / 口腔内細菌 / イソジンガーグル / オキシドール / 高齢者 |
Research Abstract |
平成16年度の研究で,オキシドール(3%)とイソジン(1%)を組み合わせた含嗽方法が強い殺菌力を示すと共に,菌数減少の状態を長時間持続させることを明らかにしたが,本年度はこの組合せ含嗽法について,含嗽実施者の負担を軽減する方式を検討し,以下の成績を得た。 1.オキシドールとイソジンの濃度をそれぞれ,0.1%に下げ,含嗽時間を各1分間にすることにより,含嗽実施者の苦痛を大幅に軽減させることが判明した。 2.0.1%の濃度では,オキシドールとイソジン共にそれぞれ単独の含嗽では唾液中の細菌数を殆ど減少させなかったが,両者を組み合わせる(イソジンでの含嗽前にオキドールで含嗽)ことにより,殺菌力が増大(唾液中の細菌数を含嗽前の1/100に減少)するだけでなく,菌数減少の状態を長時間(1/100減少状態を含嗽直後から90分間,1/10減少状態を含嗽90分後から150分後まで)持続させることが判明した。組合せ含嗽によるこのような効果は,オキシドールによる前含漱によって口腔内の蛋白質が分解除去された結果,低濃度のイソジンであっても殺菌効果が発揮されたのではないかと考えられた。この殺菌効果と菌数減少状態の持続時間は高齢者が0.5%のイソジン単独で含嗽した場合の成績にほぼ匹敵するものであった。 3.上述した成績は64歳の男性1名と21歳の女性2名を対象とした試験で得られたものであるが,65歳以上の高齢者においても同様の成績が得られるのか否か,また,今回の方式で含嗽した場合に優位に減少する細菌は病原性菌なのか非病原性菌なのかについても対象者数を増やして確認する必要がある。
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