2004 Fiscal Year Annual Research Report
地域の保健ニーズを基に保健師活動の実践につなぐ地区診断方法論の構築に関する研究
Project/Area Number |
16592209
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Research Institution | Yamanashi College of Nursing |
Principal Investigator |
村松 照美 山梨県立看護大学, 看護学部, 助教授 (90279894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
流石 ゆり子 山梨県立看護大学, 看護学部, 教授 (70279892)
坂田 由美子 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30347372)
高田 ゆり子 筑波大学, 社会学系, 教授 (90336660)
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Keywords | 地域 / 市町村保健師 / 地区診断 / 質的研究 |
Research Abstract |
平成15年度に、村松らの地区診断研究会が中心となって実施した、山梨県下の市町村保健師の地区診断実態に関する調査結果を基に、市町村保健婦における地区診断実施の問題や課題を再度検討した。その結果、81.5%の市町村保健師が地区診断を実施しているにもかかわらず、実施に関して困難性を感じていた。その要因として、保健師活動と地区診断過程との乖離や、活動における質的なデータ収集の困難性、質的な評価方法の困難性であった。 この研究に続けて平成16年度までには、実態把握の検討結果から明確になった要因をふまえて、インタビューガイドを作成し、半構成的面接法による質的研究を熟練の市町村保健師に対して実施した。質的研究によって明確になった事は、地区診断過程に関するカテゴリと活動に関しての<業務管理>や<行政においての保健師の位置づけ>、仕事場における<体制づくり>のように、地区診断実施を可能とする要件に関するカテゴリであった。 質的研究で明確になった地区診断過程に関するデータについて、再度分析を深めた結果、コアカテゴリは地区診断、活動の計画・実施、評価であった。各々のコアカテゴリに対して、地区診断は、【分析データ内容】【データ収集の方法】【データの整理と分析】等の4つのカテゴリ、活動の計画・実施は、【活動方針の位置づけ】【保健事業見直しによる効果的な展開】等、4つのカテゴリ、評価は【成果】【実施のプロセスと課題】の2つのカテゴリを抽出する事が出来、現在学会誌に投稿中である。 さらに、地区診断について、質的研究から抽出したカテゴリを骨組みとして、保健師から得たデータをふまえながら明文化し、地域診断の手引き書として小冊子を作成した。この冊子を市町村保健師に配付し、次年度に向けた研究を導入する上での準備とした。
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