2005 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者のインターネット利用が役割認知および自尊感情に及ぼす影響
Project/Area Number |
16592213
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
北島 謙吾 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (30204887)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 京子 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (10269772)
荒木 孝治 大阪府立大学, 看護学部, 講師 (40326286)
橋本 顕子 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00381971)
|
Keywords | 精神障害者 / インターネット / 自尊感情 / ソーシャルサポート |
Research Abstract |
我々は、パソコン・インターネットの利用が、地域在住の精神障害者の社会的交流を図り、サポートネットワークの拡充につながるのではないかと考え、NPO法人喫茶店、授産施設、共同作業所、地域支援センターにおいて、当事者の「自尊感情」、「役割」、ソーシャルサポート提供者およびパソコン・インターネット利用状況を把握する研究を行った。 精神障害者では低いとされる自尊感情が平均値よりも高く、また、自尊尺度と年齢との相関関係は認められなかった。自尊尺度の高い人はソーシャルサポートの人数も多く、ソーシャルサポートネットワークがある程度確立されているのではないかと推測されたが、自尊尺度とソーシャルサポートの人数において相関関係は認められなかった。ソーシャルサポートにおける続柄の内訳では、両親などの家族や友人といったナチュラルソーシャルサポートが多かった。 対象者の年齢とPC開始時及びPC使用3ヶ月後の利用時間(1日当たり)との間に相関関係を認めた。 PCの利用目的は情報検索、メール交換などで、PC使用3ヶ月後、6ヶ月後では有意な変化は認められなかった。対象が認識している役割は、家庭や仕事での役割を上げていることが多かった。 研究対象者のパソコン・インターネットへの要望は、パソコンの基本的操作、表計算ソフトやワープロソフトへの操作方法であった。また、インターネット・パソコンの利用状況から、パソコンの操作技術指導が必要であると考えられた。 以上の結果から、インターネットに関心を示し研究に参加協力した精神障害者は、男性が全体の2/3を占め、自尊感情が高く一定の役割を認識し、ソーシャルサポート人数が多い人の割合が高い実態が明らかになった。さらに、精神障害者を対象としたパソコンボランティアのマンパワー不足が明らかになり、パソコンボランティアの育成支援が強く示唆された。
|
Research Products
(4 results)