2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16592229
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
矢島 正栄 群馬パース大学, 保健科学部, 教授 (40310247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛込 三和子 群馬パース大学, 保健科学部, 教授 (10176654)
梅林 奎子 群馬パース大学, 保健科学部, 教授 (00310243)
小林 亜由美 群馬パース大学, 保健科学部, 助教授 (20323347)
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Keywords | 難病 / 難病相談支援センター / 神経系難病 / 消化器系難病 |
Research Abstract |
【目的】本研究は、看護職が行う難病相談支援事業の相談内容と対応技術を構造化し、これを標準化すること、さらに、難病相談に看護職が対応することの意義を明確にすることを目指す。平成18年度は、難病相談支援センターにおいて求められる相談援助技術の特質と、技術を提供するための態勢整備の課題を明確にすることを目的とした。 【対象】群馬県の難病相談事業が平成13-17年度に取り扱った難治性疾患克服研究事業対象121疾患の相談904件を分析対象とした。 【方法】難病相談支援員が作成した相談記録から、相談内容と相談員の対応及びその意図に関する記述を抽出し、相談者の特性、相談対象疾患、相談内容別に相談対応の比較を行った。また、相談継続利用者の相談を利用の仕方のタイプ別に分類し、相談利用のニーズを質的に分析した。 【結果及び考察】相談対応の特徴は、疾患群との関係で最も顕著に見られ、神経系難病では治療法選択の意志決定に関する情報不足、治療計画への参加に関する困難不安に対して医療継続のための助言、症状管理に関する情報不足・対処困難に対して療養生活の安定のための助言や資源の紹介が行われており、相談内容への直接的対応がされていた。消化器系難病では医療機関・医師の選択に関する情報不足・葛藤に対する医療機関に関する情報提供の割合が低かった。いずれの疾患群においても、相談内容に関わりなく精神的安定の支援の割合が高かった。継続相談利用者の相談ニーズにおいては、複数の課題が重なって対処困難に陥っているため段階的な意志決定支援が必要なタイプ、療養生活の中で直面する軽微な意志決定場面の一つ一つに助言や支持を必要とするタイプ、定期的な難病相談支援員とのコミュニケーションにより精神的安定を取り戻すタイプが認められた。難病相談支援センターにおける医療情報・症状管理情報提供機能、精神的支援機能の充実の課題が示唆された。
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