2006 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者の早期社会復帰を目的とした家族支援プログラムの開発
Project/Area Number |
16592230
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Research Institution | The University of Siga Prefecture |
Principal Investigator |
甘佐 京子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 講師 (70331650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比嘉 勇人 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (70267871)
松本 行弘 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (10363962)
牧野 耕次 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助手 (00342139)
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Keywords | 統合失調症 / 精神科急性期 / 家族支援 / 社会復帰 |
Research Abstract |
H18年度の研究実績としては、精神科看護師からの聞き取りを基に急性期患者家族のアセスメントツールを考案し、論文にまとめた(人間看護研究4号)。また、聞き取りから抽出された急性期の家族への支援内容36項目は、「認知への介入」「行動への介入」「感情への介入」および「治療関係の形成」または「家族のアセスメント」のカテゴリーに分類された。「行動領域では、状況によっては家族に休息を促すことで、次のステップに移行できる力の補充を図っていると考えられた。「認知」領域では、家族に情報を伝える一方で、あえて情報をセーブする動きもあり、急性期だからこその配慮と推測された。「感情」領域では、家族の話を聞くことを重視しており、入院に関連した不安に留まらず、家族に生じている様々な感情の受け口となっていた。さらに、看護師は面会等の機会を利用しながら、アセスメントを実施すると共に家族との治療関係の形成に努めていることが窺えた。家族機能の三領域への働きかけはそうした初期介入がべースとなり、各領域間の相乗効果が産み出され家族への再適応支援に繋がっていると考えられた。 次に、これらの支援内容の実施状況および必要性の度合いについて、看護師および家族に向けてアンケート調査を実施した。看護師は、国内の精神科病院294箇所を無作為に抽出し看護部を通じて、精神科勤務5年以上の看護師に依頼した。家族については、国内の家族会の各都道府県支部に依頼しアンケートを郵送し調査を行った。その結果今回抽出された項目のうち、33項目が、家族・看護師共に80%以上が必要なケアだと認識していた。家族・看護師に必要性の度合いについて認識が同じものは16項目(有意差無し)、その度合いについて認識の差があったものは17項目であり、とれらの結果を検討し急性期の患者家族のケアプログラム(アセスメントツールおよびケアマニュアル)の試案を作成した。
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Research Products
(3 results)