2006 Fiscal Year Annual Research Report
児童虐待発生に関するリスク要因の探究-地域をベースにした縦断研究-
Project/Area Number |
16592232
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
山田 和子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (10300922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 かよ子 国立保健医療科学院, 公衆衛生看護部, 部長 (10119381)
上野 昌江 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70264827)
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Keywords | 児童虐待 / リスク / 乳幼児健康診査 / ハイリスク / 不適切な養育 |
Research Abstract |
I.目的 地域保健において日常的に用いられている乳幼児健康診査の問診票あるいは健康診査カードを活用して、養育状況に関するデータ収集を行い、児童虐待の発生状況と虐待のリスク要因を明らかにし、予防対策を行う対象者、すなわち虐待のハイリスクを明確にすることを目的に行う。なお、調査対象者はN市の乳幼児健康診査の対象者である。 これまで2年間の研究から、経済問題、夫婦の問題、家庭に関するリスクの把握は困難であるが、通常の健康診査で把握できる項目からリスク要因が明確にできることが明らかになった。ただし、「不適切な養育」の定義については、判断する保健師問での共通認識が必要であった。 II.結果 1.「不適切な養育」の定義に関する検討 本研究の重要な課題である「不適切な養育」について、調査対象地域であるN市の保健師と5事例の詳細な事例検討を行い、「不適切な養育」について共通認識がもてるようにした。 2.4か月児健康診査と1歳6か月児健康診査とのデータのリンク N市の平成16年に出生した児全員(約2000人)について、4か月児健康診査と1歳6か月児健康診査のデータをリンクし、各健康診査時点でのリスクの違いを明らかにした。すなわち、乳児期と幼児期の違いで、乳児期は出生時の状況、病気、栄養状況、体重、育児の状況、幼児期では4か月以降の転出入、体重、う歯、育児の状況等である。 特に、今回は乳児期と幼児期の違いだけでなく、虐待に多い転出入の状況の把握を試みた。 3.1歳6か月児健康診査と3歳6か月児健康診査のデータのリンク N市の平成14年の9か月間に出生した児全員(約1600人)について1歳6か月児健康診査と3歳6か月児健康診査のデータをリンクし、各健康診査時点でのリスクの違いを明らかにした。1歳6か月児と3歳6か月児は問診票、健康診査カードはほぼ同じ項目を用いているため、成長発達に伴うリスク要因の違いが明確になった。
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Research Products
(1 results)