2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16602012
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
松井 紫朗 京都市立芸術大学, 美術学部, 助教授 (60275188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 明彦 京都市立芸術大学, 美術学部, 助教授 (30232523)
小清水 漸 京都市立芸術大学, 美術学部, 教授 (90326182)
吉富 進 宇宙航空研究開発機構, 宇宙基幹システム本部・宇宙環境利用センター, センター長 (40358742)
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Keywords | 庭 / 宇宙 |
Research Abstract |
1.現代美術の視点からの「庭」および「作庭記」の基礎研究 宇宙飛行士に向けた宇宙での庭造りの為のハンドブックを作成するという目標に向け、この研究のタイトルともなっている「作庭記」を元に、平安期に作られた奈良にある浄瑠璃寺、円城寺の庭を調査し、著述の諸要素についての確認を行う。また、金沢市にある旧林屋邸-江戸期の松を中心とする庭と、それを新たに取り組む明治期の建築とのありようを見学、ドイツ・ハノーファーでは、い本の樹から採られた種をもとに再現された、数キロにわたってシンメトリックに続く菩提樹の庭園を調査するなど、時代の変遷と共に変化する庭の概念、社会に於ける位置付けの変化の興味深い例を知見した。 2.宇宙環境下での植物実験に関する調査・情報収集および「庭」のプロトタイプの試作と実験回転式の植物育成器を作成し、上下軸の恒常的変化を伴う条件下に、植物を植えた「庭」のプロトタイプを設置、生育の変化と「庭」の形状を映像により記録した。静止している物体を見るのとは違い、観る者のスケール感を変化させ、視線を部分に引き込むような効果が得られることが動画映像でも確認できた。今後、宇宙ステーションの限られたスペースに設置される小さい「庭」でも、地上での庭の散策体験に匹敵するような効果が得られることが期待される。この実験結果をもとに、JAXAを通じ、ソ連時代から宇宙における科学実験をリードしてきた、モスクワのIBMP(生物科学問題研究所)を訪問、過去から現在に至る宇宙での植物実験の調査と情報収集を行った。とりわけIBMPの科学実験の責任者、シチョフ博士からの、実際に使われている実験機器と過去の実験の記録の説明、宇宙滞在期間記録保持者でもあり副所長でもあるポリヤコフ氏から、宇宙飛行士にとっての心理的な側面からの植物のある「庭」が長期滞在に及ぼす影響についての意見が採取できたことは、今後「庭」の具体化にあったて収穫であった。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] 宇宙庭2004
Author(s)
松井紫朗, 井上明彦
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Journal Title
「宇宙への芸術的アプローチ」共同研究報告書 CD 宇宙航空研究開発機構特別資料 ISSN1349-113X JAXA-SP-04-003