2005 Fiscal Year Annual Research Report
チベット仏画工房村の伝統技材用法と伝統の継承に関する調査研究
Project/Area Number |
16602013
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
服部 等作 広島市立大学, 芸術学部, 教授 (50218509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 直司 高野山大学, 文学部, 教授 (50177193)
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Keywords | チベット / 仏画 / 熱貢芸術 / 伝統技材 / 青海省 / チベット族 / 荘厳美術 / 芸能 |
Research Abstract |
平成17年度の研究実績の概要 1.青海省黄南藏族自治州同仁県(熱貢地区)にのこる伝統文化について夏期調査(17年7/27〜8/1) 本国際共同調査は、服部、更〓(青海民族学院)、韓によりチベット仏教の基層をなす荘厳芸術および原始信仰にもとづく芸能・美術のその現状と伝統性を黄南藏族自治州同仁県(熱貢地区)にて継続調査した。当地は、14世紀頃よりチベット美術の一大生産・供給拠点の熱貢芸術として知られ、そして今も同仁県各地では各種の美術工芸工房、および個人収蔵品が当地に残る集積地でもある。 (1)有形文化財の調査: ・仏教文化と文化財調査:同仁県年都村の明代碑文、同仁県各地寺院の新出壁画(文革期に村人が上塗りし遮蔽)、寺院や神廟の荘厳の文化について資料調査をすすめた。また各村の神廟、内陣を荘厳する現状を調査し、さらに当地に残る伝統工芸集団による金属工芸(吾屯下寺),刺繍仏画(年都乎村),仏画(郭麻日寺)工房訪問により仏画(絵画、繍画)、工芸品(金銅仏、法器、楽器)の現状調査と記録をすすめた。 (2)無形文化財の調査:アムド地方伝統である「六月会」調査 ・芸能文化と文化財調査:同仁県土族(蔵族)の「六月会」 (ルロ)祭りを四合吉、鮮乎烈、保安、浪加、吾屯村上・下村の軍舞い、神舞い、龍舞いと集積される荘厳の文化の撮影記録し資料化をすすめた。 2.研究成果:本調査の結果、西藏(ウー)から伝播したチベット仏教文化を当地の工芸集団が中国・江南、蒙古への伝播ルートに沿った中継と伝播の役割りを果たした。その結果、静態的な文化領域チベットの宗教に関する荘厳美術と工芸美術、および動態的な文化領域として祭祀・芸能(六月会)が伝統への影響とチベット芸術の今日的状況の総括的な把握が出来た。
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Research Products
(2 results)