2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16603002
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
板倉 宏昭 香川大学, 大学院・地域マネジメント研究科, 教授 (80335835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LRONG Lim 香川大学, 留学生センター, 助教授 (00262840)
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Keywords | ガバナンス / アウトソーシング / 情報通信技術 / CIO / コーポレート・ガバナンス / 組織能力 |
Research Abstract |
情報ガバナンスの分析の実証研究を日米比較を含め進めた。具体的には、前年度から引き続き、日本企業を対象に調査票データの収集を行い、分析を進めた。さらに、日本企業および米国のニューイングランド地域のソフトウェア企業などIT企業を中心にインタビュー調査を行った。 情報ガバナンスは、比較的新しい概念であるが、実務家を含め、異なる立場から様々な議論が行われている。そこで、情報ガバナンスを1)ITに関する決定権限に関する注目した捉え方、2)セキュリティに注目した捉え方、3)組織能力に注目する捉え方の3つに整理して分析を進めた。 例えば、CIO(chief information officer;最高情報責任者)は、CEO(Chief Executive Officer;最高経営責任者)の直属であることが望ましいという考え方が一般的である。今回の日本企業の調査データでは、CEOが直接レポートする形態が多くなっており、CIOの形式上の位置づけは、高いものとなっている。 しかし、調査企業においては、CIOの位置づけと、ガバナンスのパフォーマンスとの関係は見られない。CIOがどの程度ITの業務に専念しているかという専念度と、ガバナンスのパフォーマンスとの関係も見られない。CIOが存在する企業のガバナンスのパフォーマンスとCIOが存在しないとみなされる企業のガバナンスのパフォーマンスの差は僅かであり、2つのグループ間のガバナンスのパフォーマンス平均値の差があるかを調べても、優位な差は見られない。 一方、組織的な変数とガバナンスのパフォーマンスの関係が強い。目本企業が、米国流を模倣して、形式的にCEO(Chief Executive Officer;最高経営責任者)直属のCIOがいたり、CIOがIT関連業務に専念しているというだけでは、ガバナンスの成果はあがらず、組織能力に関する要因が重要であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)