2006 Fiscal Year Annual Research Report
CIP有限体積法によるマイクロ・メソスケール大気環境数値シミュレータの開発研究
Project/Area Number |
16605002
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
肖 鋒 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (50280912)
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Keywords | 数値計算 / 大気数値モデル / 多相流体 / 有限体積法 / 保存スキーム / マルチ・スケール現象 / 計算格子 |
Research Abstract |
平成18年度においては、数値計算モデルの改善と整備に重点を置き、次の方面において研究を行った。 (1)セミ・ラグランジアン/セミ・インプリシトスキームを保存の性質を持たせる普遍的な数値定式化を提案した。従来のセミ・ラグランジアン/セミ・インプリシトスキームは格子点の値をモデル変数としているが、新しい手法では計算格子における体積分平均値を新たな変数として加える。これによって、点の値と体積分平均値の二種類のmomentをモデル変数となり、より高精度のMulti-moment補間を構築することができる。これに伴い、それぞれのmomentを独立に予報する必要がある。そこで、Multi-moment補間を用い、点の値は従来のセミ・ラグランジアン/セミ・インプリシト法の手順に従って更新する。また、メッシュ境界上に定義されている点の値が更新された後に、境界を通過するフラックスを計算する。よって、体積分平均値が簡単に求められ、数値的に保存の性質が保証されている。本定式化は、既存の任意セミ・ラグランジアン/セミ・インプリシト計算法に適用できる。これによって、従来の陽解法における時間積分刻みの制限が解消され、計算効率の改善を実現した。 (2)気・液界面乱流構造及び物質・エネルギー輸送の直接数値シミュレーション為の計算モデルの改善と整備を行った。Poissonソルバーとして新たに代数多重格子法(AMG)を導入し、各種の数値テストにおいて計算精度と収束率について検証した。また、周期境界条件に関する動作も確認した。より高い並列計算性能を図るため、3次元の領域分割を行った。さらに、地球シミュレータにおいてコードのチューニングを行い、気・液界面乱流構造の大規模数値シミュレーションの準備を行った。
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Research Products
(4 results)