2005 Fiscal Year Annual Research Report
家族の視点からみた持続可能な都市生活の理論的研究及び政策分析
Project/Area Number |
16610008
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤原 章正 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (50181409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 峻屹 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助教授 (20284169)
李 百鎭 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助手 (60403606)
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Keywords | 集団意思決定理論 / 家族構成員間の相互作用 / 生活時間とクオリティ・オブ・ライフ / 自動車保有と利用 / 都市政策分析 |
Research Abstract |
(1)集団離散選択モデルの比較分析:世帯の車種選択を例に 世帯意思決定に際して,構成員間に相互作用が存在し,構成員の相対的影響力が異なると考えられる.5つの操作性の高い集団離散選択モデルを取り上げ,世帯の車種選択を対象に,モデル間の比較分析を実証的に行った. 平成16年度に広島都市圏で収集した世帯の自動車保有・利用実態に関する調査データを用いた実証分析の結果,現況再現性においては"多項線形モデル"が勝っていることが確認された.しかし,他のモデルの説明力も高い(全てのモデルにおいて自由度調整済み尤度比が0.2以上)ことから,一概にどの意思決定ルールがより支配的かを断定することは困難である.各モデルの精度の高さより,世帯の車種選択においては複数の意思決定ルールが存在する可能性があることが明らかとなった. 一方,車両価格に対する感度分析の結果から"多項線形型モデル"では価格への感度が一番鈍いことが分かった.また,車種によって価格への感度も異なることから,政策評価への応用に際して,モデルを慎重に選定することが求められる.本研究の結果からみれば,どちらと言えば"多項線形モデル"の適用性が高いが,モデル間の精度に顕著な差があるとは言えない. (2)ウェブ調査による世帯居住地選択行動分析 インターネットを介したウェブ調査を実施し,居住地選択における世帯構成員間の相互作用や相対的影響力といった集団意思決定メカニズムを実証的に調べた.広島都市圏在住者を対象に調査した結果,ウェブ調査の有効性を示したと同時に,世帯によって集団意思決定メカニズムの違いを明らかにした.また,政策内容次第で分析対象となっている広島市アストラムライン沿線居住促進の可能性も確認した。
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