2004 Fiscal Year Annual Research Report
「総合的な学習」のカリキュラムデザイン-環境教育から持続的な社会のための教育-
Project/Area Number |
16611004
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
小澤 紀美子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40114813)
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Keywords | 環境教育 / 持続可能性 / 参加型研修 / 教材 / 高等学校 / 市民教育 / 校内研修 / 体験学習 |
Research Abstract |
研究期間の1年目にあたる今年度の研究成果は以下のようにまとめられる。 (1)「総合的な学習の時間」が高等学校でどのように実施されているかを質問紙調査によって行った。教員研究センターの主催する中堅教員(平成14年度、16年度)参加者260校に調査票を配布し(各学校5名に回答依頼)、277名(回収率約33%)の回答を得た。小・中学校とは異なり、高等学校では、修学旅行など関連させた展開が最も多く(37.5%)、次いで環境教育(25.3%)、国際教育(25.3%)となっている。教師の研修の場の充実に対する要求も多い。 (2)参加型「構内研修」を実施している岐阜森林アカデミー教授高田研先生へのヒアリング調査を実施し、教師への参加型研修へのアドバイスを得た。 (3)宮城教育大学へのヒアリングを実施し、環境教育実践センターと小・中学校との現場との連携によるカリキュラム開発の課題を調査した。 (4)各種NPOが実施している指導員要請講座や教員研修の場に参加し、実際に一緒にカリキュラムを体験し、参加型や体験型活動の課題を参与型で調査した。 (5)海外で調査を実施した。1つは、ロンドンで「市民教育」の実施を調査し、さらに「都市化と子ども」の会議に参加し、現代の子どもを取り巻く状況を把握し、高校生が問題解決の場に参加した報告を受けてきた。2つ目に、米国バーモント州バーリントン市が開催した「持続可能なコミュニティ」に関する国際会議に出席し、高校生の環境教育の場への参加の実態や各種NPOの支援と教員との連携を視察してきた。 (6)東京学芸大学付属中学校で都内の教員の参加を得て研修を2度(夏期と春期)開催した。環境省で申請者が委員長としてまとめた「指導者向けプログラム集」(CD-ROM版)を用いて、研修を行い、環境教育としての様々なトピックへの展開の可能性を探り、研修の課題と共に参加型でかつ教員が授業で展開可能な方法や教材開発への課題を得た。 (7)こうした調査結果から次年度の研究のアプローチを考察するとともに、海外のシステム論に基づく環境マネージメントの手法のCD-ROM版を入手し、分析している。
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Research Products
(4 results)