2007 Fiscal Year Annual Research Report
地域の特性に応じた、国際理解教育と外国語教育との統合カリキュラム開発
Project/Area Number |
16611006
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
吉村 雅仁 Nara University of Education, 教育学部, 准教授 (20201064)
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Keywords | 多言語活動 / 総合的な学習の時間 / 国際理解教育 / 言語意識教育 / 小学校英語活動 |
Research Abstract |
過去3年間試行してきた実践の総括と地域の特性の分析とを統合し、小学校の総合的な学習の時間における外国語教育のカリキュラムモデルを提示することを最終的な目的とし、今年度は以下の手順で研究及び実践を行った。 (1)昨年度、試験的に作成した多言語意識活動教材を使用しながら日本人教師のみで行った授業実践とその成果をまとめ、公表した。 (2)国際理解教育と言語意識教育の内容や手法を取り入れながら今まで行ってきた言語教育活動実践の成果を踏まえ、課題となっていた継続性、内容の深化、他教科との連携などを取り入れた実践を行い、その成果を測定した。 (3)フランスで成果を挙げている言語意識教育の調査を行い、その内容や手法を、本研究の目指すカリキュラムを開発する際、重要項目の一つとした。 それぞれの成果は、次のようにまとめられる。 まず上記(1)に関して、詳細は昨年度発表した研究論文で示したが、多言語(8言語)を扱う自主開発教材を用いた、日本人教師のみによる10回程度のカリキュラムではほとんど児童の多言語意識に変化が見られないことが分かった。これにより、授業回数や、扱う言語の種類や数、教師の言語的背景等の諸課題を抽出することが可能となり、それらを再検討し、(2)の活動を行った。 (2)の活動は、日本人にほとんど馴染みのない言語(ルーマニア語)を含め、フランス語、英語の3言語に言語数を絞り、日本人教師とALTとしてのルーマニア人とのTTで、多言語活動を1学期間行うカリキュラムであった。授業回数は7回で昨年度とほぼ同程度としたが、児童の多言語に対する意識、英語への動機付け、言語音の識別能力のいずれにも向上が見られることが明らかとなった。 (3)のフランスにおける言語意識教育実践調査の結果は、本研究の最終的なカリキュラム開発に反映する予定である。
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Research Products
(2 results)