Research Abstract |
本研究は総合的な学習における課程編成,データベース作成などを試みるもので,カリキュラム関連の課程編成およびIT関連のデータベースに大別される.総合的な学習の教育課程編成については「平和教育のための学習材の収集と編成(担当者:舟越,高橋)」,「地域理解を深めるための学習材の収集と編成(担当者:室永,堀井)」,「多文化教育共生のための学習材の収集と編成(担当者:谷川,福井)」,「教員育成段階の体験学習の実施と評価(担当者:橋本,福田)」,「韓国・中国との交流による学習法の検討(担当者:全,曽,劉)」などを実行しており,IT関連のデータベースに関しては「GIS情報のデータベース化に向けた手法の点検と実施(担当者:全)」を遂行した. 特に,本研究を通して試みられている総合的な学習の教育課程編成においては,昨年から正規カリキュラムとして開講し,実施しているエクスポージャー方式授業「平和多文化教育論,平和多文化教育演習」があり,昨年度は14名の受講生に対して,今年度は20名の受講希望者があり,韓国の漢陽大学校にて「総合的な学習の国際版授業実習」が行われた.今回の授業では受講生が韓国の小学生および中学生を対象に,日本語による授業(通訳あり)を実施し,国際理解をテーマとした総合的な学習の体験場となった.なお,今回の授業では韓国の中学生および小学生を対象にアンケート調査を実施し,国際理解をテーマとする総合的な学習の教育課程編成およびカリキュラム構築のための基礎材料とした.これらのデータは学術論文として仕上げる予定にしている. なお,IT技術を活用したデータベースの構築としては「ケータイ電話を利用」する学習材「ケータイdeマッピング」を開発して総合的な学習の学習材として昨年度から教育現場において活用している.今年度は「ケータイdeマッピングのFlash版」を開発し,実験を行った.基本的に,Java版としては豊富な機能はあるものの,環境整備にさまざまな問題点があったことから,ビジュアルな環境の下で開発が可能な「Flash」を導入し,小学生向けの分かりやすい操作ボタンや使いやすい地図などを工夫した.開発した「ケータイdeマッピングFlash版」は,長崎大学の付属中学校,長崎県立長崎西高等学校,琉球大学教育学部において実験が行われ,その可能性を明らかにした.総合的な評価としてはJavaバージョンの「ケータイdeマッピング」ソフトより操作面においてより高い評価を得ている.しかし,あまり単純化した操作ボタンにおいては以前の機能がほしいとの意見もあった.これらの調査結果を踏まえて,次期バージョンの設計に取り組んでいる. これらの結果は国際会議であるGISUP2006,Internationalにおいて論文を発表しており,本研究の課題として取り上げたIT分野のアプリケーション「ケータイdeマッピングFlash版」関連論文が優秀論文賞を受賞している.
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