2005 Fiscal Year Annual Research Report
食品中における腸管出血性大腸菌O157のVNC期特異的検出法に関する研究
Project/Area Number |
16613013
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
朝倉 宏 国立医薬品食品衛生研究所, 食品衛生管理部, 研究員 (40370936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 壮一 帯広畜産大学, 大動物特殊疾病研究センター, 教授・センター長 (30181621)
五十君 靜信 国立医薬品食品衛生研究所, 食品衛生管理部, 室長 (70212743)
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Keywords | O157 / VNC / プロテオーム / viable marker |
Research Abstract |
98年に発生した、イクラを原因食品とする腸管出血性大腸菌O157 Diffuse outbreakにおいて、食品由来株と患者由来株の間で、食塩および過酸化水素に対する抵抗性に大きな差異を認めたことから、前年度は、網羅的タンパク発現解析をおこない、両株の比較を行うことで、ストレス抵抗性因子の同定を行った。更に、ストレス下における培養性の喪失は、生きているが培養できない(VNC)状態に移行したためであったことを、ピルビン酸による蘇生を明らかにした(業績1.)。 本年度は、VNC状態において有意に発現を示した、外膜蛋白OmpWの発現状態について、検討をおこなった。抗OmpW抗体を用いたWestern blotにより、酸化ストレス下においてOmpWはVNC状態移行後に著しく増加していることを明らかにした。更に、VNC状態に移行しやすいMP37株よりompW欠失株を作成し、ストレス下における消長を野外株と比較したところ、当該欠失株はTSA上でのコロニー数には有意な差を示さなかったが、ピルビン酸による蘇生数を大きく上昇させた。しかしながら、BacLight染色による膜透過性は逆に著減させた。これらのことから、ompW欠失株は、VNC状態に移行せずに死滅したと考えられ、OmpWタンパク発現はVNC状態におけるBiomarkerとして有用であると推察された。
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Research Products
(2 results)