2005 Fiscal Year Annual Research Report
オレキシン系による覚醒およびナルコレプシ-調節機構の神経生理学的解析
Project/Area Number |
16614009
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
香山 雪彦 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30035224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 純正 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (80183812)
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Keywords | オレキシン / アセチルコリンニューロン / 脚橋被蓋核 / 黒質網様部 / セロトニンニューロン / 外背側被蓋核 / 筋トーヌス / GABA |
Research Abstract |
オレキシン系の欠損により、ナルコレプシーが起きるメカニズムを明らかにするため、除脳ネコを用い、筋トーヌスの変化に対するオレキシンの作用を調べた。 1.脳幹のアセチルコリンニューロン群(脚橋被蓋核:PPT)に電気刺激を与えると筋トーヌスは抑制され、筋緊張の消失(muscular atonia)が生じる。 2.刺激部位の近傍にオレキシン0.06〜1.0mM(0.25μL)を注入すると電気刺激によるmuscular atoniaは阻害される(起こらなくなる)。 3.黒質網様部(SNr)にオレキシンを注入しても、同様の効果が得られる。 4.オレキシンのmuscular atonia抑制効果は、PPTやSNrにGABAレセプターの阻害剤であるビキュキュリンを投与すると阻害される。 これらの結果から、オレキシンがSNrやPPTに存在するGABA作動性ニューロン、あるいはPPTのGABA作動性ニューロン終末を活性化し、PPTでのGABA放出を促進することにより、muscle atoniaの発現に関与するPPTのアセチルコリンニューロンを抑制したと考えられる。 次にオレキシンによってPPTでGABA放出が増えているか否かを確かめるため、ラットを用い、マイクロダイアリシス法により、PPTでのGABA放出量を測定した。マウクロダイアリシスプローブの近傍にオレキシンを注入すると、GABA放出が基準値に比べ、最高70%ほど上昇し、有意な上昇が40分ほど続いた。 以上の結果から、オレキシンは、PPTのGABAニューロンあるいはGABAニューロン終末に作用して、PPTでのGABA放出を促進すると考えられる。
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Research Products
(4 results)