2004 Fiscal Year Annual Research Report
アデノシン受容体遺伝子欠損マウスを用いた睡眠調節の解析
Project/Area Number |
16614014
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
黄 志力 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究員 (10321704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
裏出 良博 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究部長 (10201360)
江口 直美 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究副部長 (10250086)
早石 修 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究員 (40025507)
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Keywords | caffeine / wakefulness / sleep / adenosine / A1 receptor / A2A receptor / DARPP-32 phosphorylation / knockout mice |
Research Abstract |
カフェインは茶やコーヒー、コーラの成分であり、疲労を解消し覚醒を増強する。カフェインはアデノシンA_1受容体(A_1R)およびアデノシンA_<2A>受容体(A_<2AR>)に対して同等の結合親和性を持って、それらの作用を阻害する。これらの受容体はいずれも睡眠覚醒の制御に関与すると考えられているが、どちらの受容体がカフェインの覚醒作用をもたらすのか依然議論が続いている。今回我々は、A_1RないしA_<2A>Rの欠如がカフェインの覚醒作用にどのように影響するかを解明するために、これら受容体の欠損マウスを利用した。野生型マウスおよびA_1Rノックアウトマウスに対して、午前9時にカフェインを3.75、7.5、15mg/kg腹腔内投与すると、投与後3時間の覚醒時間は用量依存的に増加した。これに対し、カフェインはA_<2A>Rノックアウトマウスの覚醒時間を全く増強しなかった。また、カフェインの興奮作用はDARPP-32(ドーパミン及びサイクリックAMPに制御される分子量32,000のリン酸化蛋白質)のThr^<75>へのリン酸化の増加を伴う事が報告されている。我々は、カフェインの腹腔内投与(7.5mg/kg)によるDARPP-32のThr^<75>のリン酸修飾の増加が、野生型マウスおよびA_1Rノックアウトマウスでは起きるが、A_<2A>Rノックアウトマウスでは起こらないことを証明した。以上の結果は、カフェインの覚醒作用がアデノシンA_<2A>受容体により調節されていることを示している。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Histaminergic role in sleep-wake cycle of orexin, adenosine, and prostaglandin E2 and D2.2004
Author(s)
Huang ZL, Qu WM, Eguchi N, Chu M, Okada T, Sato, Y, Sakata M, Mochizuki T, Urade Y, Hayaishi O
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Journal Title
Sleep Biol Rhythm 2
Pages: 21-22
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